家具づくりで人気の高いアイテムのひとつが椅子です。木の温もりを生かして落ち着きを感じさせるウィンザーチェア、素朴さやたくましさを特徴とするアーリーアメリカンスタイル、無駄のないフォルムで飽きのこない北欧デザインなど、小さいアイテムにもかかわらず実用とインテリアの要素が凝縮されているところが、なんといっても魅力です。
それぞれに憧れる対象はあるでしょうが、入門編としてはぐっとハードルを低くしてシンプルなまる椅子づくりから始めてはいかがでしょうか。作例は、見た目をすっきりさせながらも強度を保てるように、脚のまん中の1 か所に十字の補強を入れています。この補強に用いる「相あい欠かき継つぎ」という継つぎ手て加工は、材料同士が接合部分で噛み合う力だけで強固に組み付ける手法です。すき間があるとぐらつきや耐久性低下の原因になるので、叩き込んでなんとか入るくらいに、精度よく切り欠きを加工することがポイントになります。
ここでは作例用に各部の寸法を決めていますが、寸法の決め方がわかるように製作工程を解説しています。子ども用に小さいサイズで作りたい、カウンター用のスツールにしたいなど、用途や好みに合わせてアレンジするのもおすすめです。また、ステインやオイルで木肌を生かす塗装にるだけでも、作例とは違った素朴で落ち着いたイメージに仕上がります。このシンプルな椅子で自由に作品作りを楽しみましょう。

座板を加工する
150mm伸ばしてロックしたメジャーを細ネジに引っ掛け、ネジを軸にしてツメに掛けた鉛筆で円を描きます。

材料の縁からジグソーのブレードを入れ、円形の線に沿ってジグソーでカットします。

座板を浮かせた状態で固定し、トリマーを縁に沿って動かして面取りを行います。

穴あけには44mm径のホールソーを使用。捨て板を敷いて板を固定し、円と十字線の交点に貫通穴をあけます。

加工が完了して座板が大きなボタンのようになりました。全体を丁寧にサンディングしておきましょう。

つなぎ材を固定する
両側の線の内側に沿ってノコギリを入れ、深さの線まで切り込みます。最初にノコギリを前下がりに使って線まで切ったら、後下がりに持ち直して後側も線まで刃を入れます。最後は水平に挽いて切り残さないようにしましょう。継手を強固に組み付けるために、切り欠きはすき間ができないようにぎりぎり入る程度に加工しましょう。

脚の取り付けに合わせて、写真の寸法、角度(15 度寝かせる)で線を引きましょう。2 本の上下が逆になるように注意。

斜めに引いた線に沿って両端をカットします。ノコギリガイドなどを利用すると、正確な加工ができます。

切り欠き同士をあわせて十字に組み付けます。きつくなったら、当て木をして金づちで奥まで叩き込みます。

つなぎの下面(長い方)から下穴をあけ、木工用接着剤と40mm の木ネジで座板に固定します。

脚を取り付ける
脚の一方の端に、側面から75度の線を引きます。脚を15度寝かせるための角度です。

印をつけた位置で、先にカットした面と平行になるように斜めカットをします。

つなぎに合わせて脚をあて、立てておいた木ネジを締め付けて固定します。

脚の固定が完了して椅子の形が見えてきました。

上部のつなぎと同様に加工して十字に組みます。上部の長さを270mmとし、両端を75度でカットしてください。

補強材の接合面に木工用接着剤を塗って印に合わせ、55mm の木ネジを打って脚に固定します。

補強の固定が完了して、まる椅子の組み立てが完了しました。見た目はシンプルですが、安定していて頑丈です。

見た目をボタン風に仕上げるため、脚をグレー、座板を明るい色で着色します。スポンジを叩くように使って黒色でステッチの模様を入れます。薄いときは、乾燥してから重ね塗りをしてください。

ボタンのようなかわいい座面のまる椅子が完成しました。小さいサイズで子供用を作ってもよいでしょう。

アレンジ例





