| 早坂隆さんの著「世界の日本人ジョーク集」に、こんな話が載っていた。
国際的な学会の場で遅刻してしまったので発表の時間が半分になってしまった。各国の人々はどう対応するだろうか?
アメリカ人:内容を薄めて時間内に収める。
イギリス人:普段通りのペースで喋り、途中で止める。
フランス人:普段通りのペースで喋り、次の発言者の時間に食い込んでも止めない。
ドイツ人:普段の二倍のペースで喋る。
イタリア人:普段の雑談をカットすれば時間内に収まる。
日本人:遅刻はありえない。
ここで注目すべきは、フランス人の対応である。この本に記載されているフランス人像は妙を得ている。これを表現するのに「頑固」という言葉を使おう。
フランス人は「理屈をこね回し議論好きだ」というのは有名である。話題の中心が逸れていっても、いっこうに気にしない。時間が経つのも忘れて議論を続ける。
この習性は、まさに自分の主張を曲げない「頑固」という日本語が適切である。「頑固」さは、特に建前を主張するときには一段と磨きが掛かる。
例えば、人種差別についてである。「第20話人種差別」に記したとおり、フランス義務教育は、万人に平等である。移民の子であれ、貧乏な子であれ全てのフランス人は平等に義務教育を受ける権利がある。
そのバックアップ体制は完璧である。公的バックアップはもちろんのこと、私的なボランティア支援も盛んである。(人種差別は、明らかにあるのだが・・・)
「頑固」さに結びつけるのは少々無理があるかも知れないが、フランス人にとって「歩行者保護」も建前上絶対である。
パリの街で良く見かける光景に、「歩行者が平気で信号無視し道路を横断する」というのがある。
ドライバーはチャンと止まるのである。あんなに交通混雑していて、交差点(信号のない巨大なロータリー)でせせこましく、気ぜわしく、チョットした隙間も見逃さずに割り込む運転しているドライバーなのにである。
私は、最初は恐ろしくて、信号無視など出来なかったが、フランス人歩行者は平気な顔をして横断歩道を信号無視するのである。
パリのメイン道路でさえそうである。車は慌てて急ブレーキを掛ける。そのうち私も車が確実に止まってくれるので、恐る恐る信号無視横断を始めた。
すっかり慣れ親しんだ後、日本に帰ってきて、その習性が抜けきれないうちに、東京の横断歩道を信号無視して渡り、大いにドライバーのひんしゅくを買い、危うく命を落とすところだった。
日本などでは、信号のない横断歩道で車がとぎれるまで辛抱強く渡るチャンスを待っている老人を良く見かける。気を利かせて止まってくれた車に、横断した後深々と頭を下げる、といった光景が普通なのだが。
ともあれ、ところ変わればである。フランスから帰ってこられる方、くれぐれも日本で犬死にしないように!
by エダ
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