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| 私の名前はブルママ。日の丸ブル子嬢の保護者兼育ての親だ。
'98年5月生まれのブルドッグのブル子は、超おてんばで20キロ強の体で自分のテリトリー内の物を、体当たりで壊していく。彼女の手に掛かると思いもよらないものまでメタメタになる。2年の付き合いにもなると、音だけで何をやらかしているのかほぼ分かる。
特に静かな時は、大体壁かじりに熱中している。小腹がすいたり、“つまんないシンドローム”にどっぷり漬かっていると、平面手のひらサイズの顔を正面に壁をかじる。ひたすらかじる。顔の立体的な犬にはできない芸当だ。本来なら‘お見事!’と拍手したいところだが、こう度々何箇所もかじられると、それでは済まされなくなる。
スペインでは、普通簡単な屋内の修理は自分でするので、私も石膏を買ってきて、練って、穴埋め用の大きな金属のヘラみたいなもので埋めるのだが、すべて10分以内くらいにしなくてはならない(すぐに固まるので)。佐官屋気分で仕上げ、数日間放置して、やすりで表面を平らにして、ペンキを塗る。その間、もちろんブル子にまたやられないように、ついたて板で覆っておく。めでたし、めでたし・・・・と喜ぶのも束の間、新しい石膏の匂いにひかれて、またかじりだす。こうして振り出しに戻るというわけだ。
「普通、辛いものは刺激が強くて犬は苦手」と本に書いてあったので、とりあえず練りガラシからはじめて、埋めた壁の表面に塗ってみた。ところが・・・・・・喜んでなめているではないか!?!? そんな〜〜っ!!! よし、それではお次はワサビだっ!!! う〜ん、またもや、うっとりモードに入っている。よし、こうなったら強敵タバスコの登場だぞっ、と切り札を出したつもりだが、元来筋金入りの辛党らしく、逆にますます興味を持ってしまったようだ。
こうなると、ババ抜きのババがいっこうに人手に渡らずイライラし、何か奇跡でも起こらないかと願う心境になる。ブル子の顔を整形して立体的にしたらどうだろうかと、本気で考え始めている、今日この頃だ。
(2000.9)
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| 第2弾 いびき解決には“ソニー”か“日立”か?
とにかくスペイン人は賑やかだ。お腹から声を出すので1人で3〜4人分に聞こえる。スペイン人が3人寄れば、これで普通の日本人十数人分に匹敵するのではなかろうか?そんなことをふと考えたら、ブル子の出す「音」がなぜか気になりだした。
犬の鳴き声は普通「ワン」ということになっているが、私の耳にはそんな単純には聞こえない。ブル子の場合は、「ゥワン」だと思う。それも完全な腹式呼吸法を使っているような、お腹から出した声で、張りがある点では三大テノールのパバロッティもビックラという感じだ。
じゃ他にどんな音があるかと言えば、例えば、おならは「ブー」ではなく、「プゥー」というところか。滅多にしないがエサ以外のものを食べたときにする。はらぺこ状態でお腹が「ギュルーン」と鳴ったのも聞いたことがある。エサを食べるときは無呼吸食法で、ガッガッガッという音だけが響く。体のかゆいところを掻いている音は抹茶をたてている時の茶せんの音に聞こえる。歩いたり走ったりするときの音は「子犬のワルツ」というよりは、「はげ山の一夜」みたいだ。とにかく激しい。
そして忘れてならない“いびき”は表現しにくい音だ。以前ヒットした『ブッシュマン』という映画を初めて観た時、彼がしゃべっている言葉が聞いたこともない言語というより音に感じられた記憶があるが、ブル子のいびきも複雑だ。寝る角度によって違うのだが、地の底から沸いて出るような迫力がある。密室で聞けばそのボリュームの大きさに誰もがビックリするだろう。普通外国語を習うとき、読み難い単語などにはふりがなをふったりして覚えるが、ブル子のいびきは文字で表現するには、聞き取りの良し悪しに関わらず、はっきりいって難しい。濁音とくに“ガ行”が多いことは確かだ。SF、怪獣映画の効果音に使ったら結構いけるのでは?っと思うのだが・・・。
そんなブル子のいびきが毎夜毎夜バルセロナの住宅街にこだまするわけで、近所の人々も迷惑、または楽しみにしているはずだが、スペインで防音用品を取付けると、とにかくものすごく高いという話をバイオリニストの知人が話していたので、まあ我慢していただく以外に方法はなく、私もいびきで愛情表現をする夫の横で平然と安眠できる妻のようにたくましく生きなければならないのだろうか?
私は近々“ソニー”に問い合わせてみようかと思っている。「“安眠用吸音枕”は製造できないのか?」と・・・。音を出す機械が作れるのだから、吸い取る機械を作れないわけはない。それとも家電なら“日立”のほうがいいのだろうか??
( 2000.10) |
| 第3弾 ブル子が第4期発情期に入った。
いくぶん眠たげでだるそうだが、食欲も落ちずおてんばぶりは変わらない。スペイン語で発情期は「estar
en celo」というが、celoは“熱中”をさし、複数形になると“嫉妬”をさす。あまりに熱中すると、結局しまいには嫉妬につながるのであろうか? 恋愛ドラマのお手本のような言葉だ。
発情期はまずものすごい匂いから始まる。とにかく臭い。やたらに臭い。おしりの穴近くの部分からどうも発臭しているらしく、息を止めてコットンでふき取るわけだが、なぜかこの匂いが雄にとってはウハウハものらしく、散歩のときにもやたらクンクン匂いをかがれている。一般に言われているフェロモンというのも、実は他の動物にとっては臭い匂いでしかないものなのかもしれない。ミニスカートをヒラヒラさせて猫なで声を出すような若い女性に、鼻の下が5pも下がっている日本の中年男性を見かけるとついつい「旦那、鼻の下が伸び切ってますぜ〜」と言って、ハリセンで思いっきりひっぱたいてやりたくなる衝動に駆られるが、どうも雄犬の歓喜の尻尾振りと、人間の男性の鼻の下の伸びは、メロメロという点では同意義のようだ。
匂いの次は“毛”だ。おしりのあたりになんだか妙にいやらしい毛がはえてくる。8.5個ある乳房も大きくなり、いつでも子育てOKの状態になる。発情出血はママのパンツを譲って尻尾用の穴をあけて間に合わせている。やはり期間中それなりに体に変化は起きるみたいだ。
そしてなぜか自分の体より大きい特注マット(おやすみ用ふとん)と、連夜バトルを繰り広げている。何が楽しくってあんなに熱中できるのかしらないが、パンツがずれ落ちそうになるのもかまわず、ハアハアあえぎながら、何本勝負にも挑んでいる。紺色厚手のマットは、口でくわえて振り回され、四つんばいになり押さえ込まれ、“哀れブルマット 連夜の負傷 ついに引退か”とスポーツ新聞の見出しに出そうなくらい痛めつけられている。親の目から見ても、マット相手に単に楽しんでいるというよりは、嫉妬に駆られて逆上し、なりふりかまわず暴れ狂っているように見える。やはり“熱中”と“嫉妬”はなんらかの関係がありそうだ。
今夜もまた2時間の大バトルが繰り広げられるのだろうか?? 秋の夜は長すぎる!!(2000.11) |
第4弾 息をとめて〜ナイスキャッチ
犬は何故これほどボール遊びが好きなんだろうか? もちろんブル子も大好きだ。室内とテラスでは少々違う遊び方だが、暇を見つけてはボールをくわえて、「ママ 遊んで」とおねだりする。「ノー」と言うと、途端にポロッと落とす。一か八か掛けてるみたいだ。
遊ぶときはまず厚手のビニール製犬用おもちゃの切れ端(チップ)とゴムボールが必要だ。チップが遊びの鍵を握っている。元々このチップもミニラグビーボールだったのだが、誰も教えないのにこれをくわえてゴムボールを転がすのが“ブル子流”らしく、親譲りの欲張りな性格丸出しで二者選択ができず、そのうちミニラグビーボールも消耗して小さな切れ端になったが、今ではこれを舌の上に載せながらゴムボールを上手に操っている。
屋内では、壁を利用していろんな角度にころがるボールを追って、くわえたり、鼻で押したりして投げ返すのだが、平面な顔と壁の間でボールが行き交う様は、ブルドッグ版ピンボールのようだ。実際には音なんかしないけど、何故か私にはピンボールの派手な音が聞こえるようで、空耳アワーをこっそり楽しんでいる。ジャンプして取るのも得意技のひとつだ。以前あまりに鍛えすぎ、ジャンプ力がつきすぎて“しまったちゃん!”になったので、いまはほどほどにしている。
もうひとつ密かに楽しんでいるのは、ボールを握って床すれすれに固定して、ブル子がかがんで全神経をボールに集中するのを待って、いきなり上にボールを投げるとき見せる“ぶっとびブル子”だ。まるで仮面ライダーの敵の後ろで勝手にもがいてアクションするショッカーみたいに、ボールの方向に爆竹のように飛んで、手足を宙でバタつかせる。これが結構高い位置まで達するので見応えがある。こういう楽しみがないと、親とはいえ、毎日何回もボール遊びに付き合ってもいられない。
テラスでは、10m位の距離を往復して、投げたボールを取ってくるという単純な遊びを20数回繰り返す。時間帯はまちまちだが、夕暮れ時なぞは夕日に映えて、ブル子の白い毛並みが金色に輝く。お〜これぞ幻のゴールデンドッグか〜? などと感心してうかうかしていると、思わぬ“贈り物”を落としてしまう。くわえていたボールを不意に落としてしまうところからスローモーションで事は始まる。目が宙を見つめ、いきなり後ろ足に重心がかかり、踏ん張りポーズに入る。私も瞬間にダッシュ! 近寄りながら用意しておいたレシーブシートを広げて受け入れ体制に入る。ブル子の体からねじり出される固体を引力に負けないように受け止めねばならない。息を止めて、最後のおひねりまで・・・。なんでこんなことをしなくちゃいけないのだろうか? と毎回思うが、それでも思わず小声でつぶやいてしまう・・・「ナイスキャッチ」と。 |
第5弾 メビウスの犬輪
ミレニウムと世界中が大騒ぎしてたのも昨日のことのように感じるが、アッと言う間に一年が過ぎ去った。これじゃ知らぬ間に自分もオババになるはずだ。干支は巡って今年はへび年なのに、毎年 犬年のような気がするのは、私だけだろうか?
バルセロナでもミレニウムは細々とイベントが加わって、例年の年末年始とは華やかさが違っていた。数ヶ月前からカウントダウンの爆竹が定時に鳴り響き、2000年グッズが多少出回った。普通スペインではクリスマスは家族とすごし、年末は仲間とディナーやホームパーティーというパターンが多いが、とにかく年の締めは12粒のぶどうを鐘に合わせて食べて終わる。御多分にもれず、cachondeo(お祭り騒ぎ)を二軒はしごしてミレニウム15分前にかろうじて千鳥足で家に辿り着き、用意しておいた年末グッズを片手にブル子と屋上へ駆け上がり、ラジオの鐘の音に合わせてぶどうを食べたが、もちろんブル子は訳が解からず鐘の音なんぞなんのその と言わんばかりにぶどうを飲み込み、超慌ただしい新年を迎えた。そして上がった上がった大花火! 大小取り混ぜてバルセロナの街中で火花が飛び散り、爆音が鳴り響き、興奮したブル子はテラス中を駆け回り、ついでにポロポロポロポロ落し物。初日を拝んで最初の仕事は、ブル子の降ウン(幸運)拾いから始まった。新年早々こういうスタートを切ると、大方どんな一年になるのか予想がつきそうだが、実際ミレニウムの快い響きの割には、予想通り大小様々な起伏のある、落としたり拾ったりを繰り返す一年だった。
ブル子に関して言えば、右目のオペをしたぐらいで大した変化もなく、犬屋に連れて行けばブル子お得意の変わらぬ大暴れに、店員さんも「今日はいったい何の用ですか?」とあきれ顔だし、「思い切って性格を変える薬を飲ませたらどうか?」と本気で勧められるし、散歩に出かければ他の犬が恐れをなして吠えたり、遠回りしたりして敬遠されるし、親の目から見ても超マイペースな生き方をしている。
そんなブル子もうってかわって今年は親の勝手で、年末に犬屋に預けられ新世紀を一人寂しく迎えさせられた。この道(ブルドッグ一筋)30年という犬屋の親父は、誰が見たって「もしかしてブル・・・」とつぶやきたくなるほどブルドッグそっくりだ。私も はたっ と考えた、そのうち自分でも気付かぬうちに“ブル顔”
になってしまうのではっと!あ〜うれしいような、悲しいような本場インドカレーのような複雑な心境だ。たった4泊5日の外泊だったのに、丸々太ってボンレスハム状の体になって戻ってきたブル子は、多少興奮気味だったが翌日にはばんかいして、例のごとく愛情光線をメラメラ放出し、悪意なきいたずらを繰り返し、私を金縛りにさせている。メビウスの輪のように21世紀も相変わらず犬年のみが巡ってきそうな気がしてならない。困ってしまって ワンワン ワワ〜〜〜ン!! |
| 第6弾 だってスペインだもの!
ガ〜ン、ガ〜ン、ガ〜〜ン!!! 寝耳にハンマー。やられた〜〜っ!!
新年早々ハンマーでたたき壊す音と振動で起こされた。いつでも予告なしにいきなりやってくるどこかのピソ(マンション)の改造の始まりだ。今度はどこのピソかと近所を見回したらうちの真下のピソだった。やっと向かいが3ヶ月かかって大改装し終わったというのに、別に順番にしてくれとも頼まないのに、なぜか重なることもなく別のピソがやり始める。騒音、埃、振動とコンビを組んで、いつ終わるともわからないバトルが続く。バルセロナでは40年、50年は当たり前、100年以上の建物も混ざって碁盤の目に街が区画され、一階は店舗、オフィス等、二階以上がピソになっている。これだけ古いと配管、設備等も旧式のままが多く、持ちピソの場合はだいたい持ち主が変わると、今がチャンスとばかりに改造される。朝の8時からガンガンやられても、しまい忘れた洗濯物に3ミリほどの埃を積もらされても、まあ文句を言っても仕方ない。いつものように、「だってスペインだもの」と言ってあきらめるしかない。
スペインに来た当初は、あまりの生活習慣の違いに文句文句の連続だったが、一人で立ち向かおうとしたって相手は超肉食人種スペイン人、鼻息を受けただけでも飛ばされかねない。ましてや個人主義。自分と家族さえ良ければOK! という風潮が吹き巻くこの国で、謎の東洋人がなんだかんだと息巻いてみたところで、歩道に投げ捨てたタバコの吸殻をもみ消すようになるわけでもなく(スペイン人はポイと捨てるだけで火を消さない)、カフェに禁煙コーナーができるようになるわけでもなく、外国人の意見にも耳を貸して改善していこうなどという微々たる兆候も見えず、ただ単に「じゃあ いなけりゃいい!」と突き放されるのが落ちだ。「目には目を歯には歯を」と言うのはユダヤ?の掟、「目にはコンタクト 歯には総入れ歯 まあだいたい合えば良いことにしよう」というのがスペイン式ではないかと私は思う。
こんな国に住んでいるといろんなことが大ざっぱになってしまいがちだ。ブル子嬢のお食事時間もまちまちになりがちだけど、ブル子の腹時計のほうがよっぽど正確らしく、朝晩定時になるとうろうろし始め、「ご飯?」の一言に全集中力が集まり、耳は絶対に聞き逃すまいと立ち耳になり、目は食い意地の炎が浮かびそうなくらい真剣そのものになる。エサ用ボールにエサを入れてる間も、ドアに阻まれて見えないにもかかわらず、聞き耳を立て、確実にエサが食べられるとわかると所定の場所まで跳ねて踊りながら突進していく。そして超強力掃除機みたいに、F1さながらの瞬間芸でたいらげる。ブル子の食事風景でも売り物にして、見物料でも取ってみたいところだが、タイソンの試合どころではなく、ワンラウンドかからないあまりの呆気なさに“金返せコール”がこだましそうで、まだ実行には移せずにいる。“ブル子嬢の優雅なお食事風景 一度見たら病み付きかも?!”などというキャチフレーズで売り込んでみようかと考えている。「詐欺だ! 金返せ!」とクレームが出たらこっちも一言言えば済む。「だってスペインだもの!」 |
| 第7弾 WELCOME TO 知らぬが仏ワールド
スーパーモデルの影響か、はたまたへそだしルックで自分のデブぶりに気づいたのか、4年ぐらい前から急にスポーツジム通いが一般化し始めた。それ以前はいくら割引、入会免除とあの手この手で誘いをかけても、閑古鳥が鳴きっぱなしだったのに・・・・時代が変わったものだ。若者に刺激されてか、おじじおばばもこぞって通いだし、水泳 エアロビクス ヨガ 太極拳 マシントレーニング等、時間帯とレベルに合わせて楽しんでいる。同じ時間帯の同じクラスに行くとだいたい決まったメンバーが集まっていて、数人顔見知りができる。毎日、月〜金曜日まで必ず夕方6時からのエアロビクスで会う40歳台前半かと思われる女性は、必ず最前線の真中で汗をびっしょりかき、動きもシャープに楽しそうに踊っているが、なんで毎日こんなに運動して痩せないのだろうか? とつい思ってしまう。タンクトップのような上着に、裾広がりのパンタロン、毎日来るのでパターンもわかっていて上手なのだが、はちきれそうな太めのウインナ−ソーセージが湯だってプリプリしているみたいで・・・たぶん超筋肉質なのだろうけど・・・
ブル子も結構筋肉質で、歩く度に肩の筋肉が動くのが見える。左右に体を揺すって歩くので、ちょっとジャパニーズマフィアのようだ。「よーよー 早く飯にしてくれよ〜」とでも犬語で吠えられそうだ。後ろももの筋肉は、3年くらい前の貴乃花のおしりみたいに引き締まっている。身長70cm バスト63cm ウエスト53cm 色白、茶色の背中の丸いワンポイントが決め手で、“ミスブルバース スペイン代表”か?! と言いたいところだが、活発すぎる性格が裏目に出て、“桜散る”の電報が送られてくるのはほぼ確実だ。
大食漢、巨食症、人生の楽しみの60%は食べることと思っているブルママは、時々いけないと思いながらも料理の仕方をちらっと思い浮かべてしまう。ローストブル・・・フライドブル・・・、ブルの煮込み・・・・・・。母親の異常な熱い眼差しにブル子も、もしかしたら? と疑い始めるかもしれない。それに寒い冬の夜にはブル子の妙な暖かさに「あれっ、ブル子、毛皮着てるじゃないの?!」と気づいて、「ベストじゃ小さいし、ワンポイントバッグなら・・・」などとつい豊かすぎる想像もしてしまう。
ウインナ−ソーセージだろうと、ワンポイントバッグだろうと想像されるのは自由だけど、“知らぬが仏” と言えそうだ。まあ、誰かがブルママって中山美穂そっくりと思ったとしても、満更ウソでもないのだが・・・?? ブル子は鏡に映っても自分だと気づかないし、ブルママも鏡に映っているのは誰か他の人だと思いこんでいるし、親子で“知らぬが仏ワールド”にどっぷり漬かっている。ただ今ワールド会員募集中! あなたも“知らぬが仏ワールド”で脳天気に生きてみませんか? |
第8弾 バルセロナはセマナ サンタ(復活祭の休日)に入り、半分以上の人がセカンドハウスや小旅行に出ているせいでとても静かだ。普通、スペインでは、このセマナ サンタ、夏のバカンス、あとはクリスマスが三大連休期間となり、これらの連休を目当てに働いているといっても言い過ぎとは思えない。かなりのファミリーがなんらかのセカンドハウスを海や山に持っているので、家族総出で食料を運び込んで、民族大移動となる。必然的に都市部は人がいなくなるので閑散とする。これぞ大チャンスと言わんばかりに、市内の公園や海岸へサイクリングに出かけたり、屋上テラスでのんびり読書なぞしてカタラン人(バルセロナのあるカタルーニャ地方の人)のいないバルセロナを満喫している。店もほとんど閉まっているし、レストランも観光客向けのしか開いていないので、「サバイバルー!」とか雄たけびをあげながら、買い溜めしておいた食料を駆使して、イタリアン、エスニック、チャイニーズ、ジャパニーズといろいろバリエーションを変えてホームメイドクッキングも楽しんでいる。
4月に入りいちど気温がぐっと下がって、強風が吹きまくりちょっと落ち着くと聖ジョルディの日(4月23日)が間近に迫ってくる。カタルーニャ地方の守護聖人ジョルディの日は、女が男に本を、男が女に赤いバラの花をプレゼントしあう日となっているが、年々商戦の火花が過熱気味になり、一発ぼろ儲けを試みる商魂たくましいカタラン人とジプシーの壮絶なバトルが繰り広げられる。本屋は特設スタジオを組んでセールス期間を設け、少々値引きをしてケチなカタラン人の気を引こうとする。それ以上にすごいのは、当日の“バラ戦争”だ。花のプロ用の花市場には、赤いバラが氾濫し、花屋 ジプシー 一般市民でごった返す。バルセロナの町中にジプシーや一般市民の建てた特設バラ売りスタンドが立ち並び、赤いバラと麦の穂がコンビになったパックを、仕入れ値の3〜6倍で売りつけ、売り切ろうとやっきになる。たとえ“愛”なんてなくても、オフィースの同僚の女性にはあげざるをえない雰囲気が漂い、香りもなく、決して開花しない種類のバラを、大枚はたいて泣く泣く買い求める男性諸君はちょっとかわいそうな気もする。日本の義理チョコ、カタルーニャの義理バラ、場所は変われど義理にはお金がかかるようだ。
ブル子は相変わらず すこぶる元気で、最近は散歩の度に春の味覚を満喫している。大粒のイチゴを散歩の途中で食べるのだが、ワインにつまみ 遠足におにぎり のごとく、なくてはならないコンビになってしまったようだ。ベンチのところでお座りをして、7〜8粒食べるのだが、“散歩の途中のイチゴは最高!”と言わんばかりの幸せそうな表情をするので、あげないわけにはいかなくなる。小粒だと一気に飲み込むので、味わえないだろうと馬鹿みたいだなー、とは思いつつ、嬉しそうなブル子の笑顔が見たくて、ブル子には大粒、自分には小粒を選んでしまう。こういう時期が人生の中で少しくらいあってもいいのではと思うのだが・・・・・・ブル子は気付いてないみたいだが、もうすぐイチゴの季節が終わってしまう。こう習慣になってしまうと急にやめるわけにもいかず、困っている。義理チョコ、義理バラ、ブルイチゴ 一度始めたらそう簡単にはやめられないようだ。ど〜しよ〜う!! |
第9弾 まどろみを誘うような暖かい季節になると、ついつい夢のようなことを想像してしまう。宝くじが当たったら何に使うのか?・・・・・・スペインはコネ社会なので、そういう環境から外れて生まれた場合は、大筋人生のコースが見えてしまう。もちろんスタイル抜群で美人だったり、突然変異で頭脳明晰だったり、何かよっぽどの特技があれば別だが、大体は“それなり”ということになる。そうなると必然的に“神だのみ”の風潮が社会全体にはびこり、手っ取り早く一攫千金を狙う“宝くじ”に、一般市民は群がる。スペインに住み始めた当時は、「なんで働きもせずにこれほど“運”に頼ろうとするのだろうか?」と思ったものだが、だんだんこの国の生活を深く知っていくと、「これしかないよねっ!人生はロッテリア(宝くじ)だっ!!」と納得するようになった。その場で当たるのから年に一回の大物まで、よくもよくも・・・と思えるほど、大小さまざまな“宝くじ”がある。急に値段が1.5倍に跳ね上がったが、一組150ペセタで楽しめる“プリミティーバ”というくじは、1〜49の数字のうち6個を選んで組み合わせるという単純なくじだが、結構大金が当たるので、たま〜に買って 悔し涙を飲んでいる。
「5億ペセタ 万が一当たったら、何に使う?」とスペイン人に聞くと、ほとんどの場合、「海辺に家を買って、旅行をして、ブラブラ生活する」という答えが返ってきたが、スペインがどういう国かわかるまでは、「進歩的じゃないな〜!」と思っていたけど、今では、「やっぱりそうだよね〜」と肩を叩きたい気がしてしまう。変わった意見では、「潜水艦を買いたい」(日本人男性)、「アメリカ 日本 スペインにアトリエを持ちたい」(スペイン人女性)、「お金は要らない 誰かにあげちゃう」(スペイン人男性)、という意見もあったが、ブルママの意見はちょっと違うのでございま〜す。
(1)一日プールを借り切って、液体のチョコレートを満杯に流し込み、泳ぎながら飲む。もちろん夏にするので、ちょっと乾かせば人間チョコレートの出来上がり・・・ チョコ好きの友達も誘ってあげよう。 (2)バルセロナの郊外に土地を買って、ブルドッグ専門の施設を作る。名付けて「ブルドッグ天国=ブル天」。百匹以上のブルがそこら中に溢れて、幸せそうに戯れる中、うちのブル子は女王のように特別に振る舞い、扱われて、ブル天クイーンとなる。専門医も5人くらい雇って、お食事係、トレーニング係、ボディーケアー係、お休み前のお話係等、親身になって全ブルのケアーにあたる・・・・・こんなブル天をブル子が気に入ってくれたら良いのだけれど・・・ (3)お金が残ってから考えるので、???
そんな夢のような話よりは、エサの20%増量のほうがよっぽどブル子にとってはうれしいのかもしれない。5月25日に3歳になるので、なにか特別なことでもしてあげたいが、いまだに英語のoneしかしゃべれないので、本当は何がほしいのか私にもよくわからない。この際犬語の習得にでもチャレンジしてみようかな?!?! |
| 第10弾
イチゴの後、さくらんぼうだよ〜ん!! 5月にはいるとイチゴが最盛期を終え、代わってさくらんぼうの季節に入る。黒々として見た目に美味しそうだが、食べても期待を裏切らないほど甘くて美味しい。日本で飽きるほどさくらんぼうを食べた記憶がないので、これぞ挽回のチャンスというわけで、市場に行くたびに山盛り買ってくる。今年はそれに輪をかけて“さくらんぼう祭り”に行ってきた。催し物はいろいろあったが、なんと言ってもお目当ては“さくらんぼう食べ放題コンテスト”だった。1000ペセタ払って、45分以内にどれだけ食べられるかを競うのだが、最低1250g食べられるとお金を返してくれるという条件だった。参加費を払った時点で参加者が4人のみという話だったが、間際になって13人にふくれあがり、フランス人女性参加者の腕の太さを見ただけで、急に優勝には手が届きそうもない気配が漂った。いっしょに行ったスペイン人の友達と、頼まれもしないのにTシャツにワッペンなど張り付けて、大勢の人が見守る中、二人でニコニコしながら食べ始めた。案の定、隣に座った例のフランス人は、鬼のような顔をしてものすごいピッチで食べ始めた。普通なら負けるものかとガバガバ食べるところだが、あまりにさくらんぼうが美味しくて、一粒ずつ味わって食べないともったいない気がして、お金さえ返ってくれば良いかなという感じで、かなり楽しんで食べた。
マラガに居たとき毎日1キロ食べていたので、どうにかなるだろうとは思っていたが、やっぱりどうにかなった。35分を過ぎたところでノルマは達成できて、さああと250gと思っていたら、一番食べた男性がギブアップしたので、なぜか10分短縮で終わってしまい、私の食べる予定だった残りの分はボツになってしまった。初めから1500gを狙っていたのでガックリしたが、まあこの国のことだから仕方がないとあきらめた。結局最高記録は2750gで、お隣さんは女性では最高の2250gも平らげた。あの腕じゃね〜っと友達と二人で妙に納得してしまった。
ブル子がいっしょに参加していたらどうなってたかな〜?と思うけど、2000g位はいけたかもしれない。春に日本製のドッグフードを食べさせたら、全身ビックラするほどものすごいアレルギー反応が出て、またまた医者にかかった。注射と抗生物質の薬を飲んで、どうにか治まったが、主治医も結構驚いて、何を食べさせたのかしつこく聴かれた。ブルジジ、ブルババの持ってきてくれた日本製の訳のわからない複雑なドッグフードだったので、とりあえず高級すぎるこういうものは食べさせないに限ると思った。6月からは、ダイエットフードからマトン使用のものに変えた。まだ目立った変化はないが、筋肉美をまだまだキープしている。犬の“エサ食べ放題コンテスト”があったら参加させてみたいけど、あのウエストラインがなくなったら、ブル子らしくなくなってしまうので止めておくが、それよりもっと疑わしいのは、一度膨張した胃がもとの大きさにはたして戻るのかということだ。戻らなかったらどうなるのか?想像しただけでも恐ろしい。夏休みにテレビで放映する怪談映画を見るよりも涼しさ倍増。瞬間でヒヤッッとする効果抜群。ブル子には冷却効果まであるとは気がつかなかったな〜!ヒエ〜〜ッ! |
| 第11弾
8月のバカンスシーズンを目の前に、バルセロナは例年より一足先に休暇に入った人が多いのか、少し静かなような気がする。だが貧乏暇無しのブルママは、バカンスそっち退けで超忙しい毎日を送っている。先日もバルセロナ郊外の田舎町の仕事にはまって超朝帰りになった。ブル子は夕食ももらえず一人寂しく夜を過ごしたのか、帰宅してからずっとそばを離れようとしない。翌日は親子の絆を挽回すべく家族サービスに専念させられた。日本のサラリーマンの無理見え見えの家族サービスもこんな状況なんだろうなあと妙に納得した。世の中物事が繰り返しやってくるように泊まりの仕事がまた巡ってきた。これは試すのにいいチャンスかと思い、ブル子にたっぷり朝食を食べさせて外泊してみた。何も知らないブル子は80%増量の満腹朝食に大満足の様子、ブルママは“と〜りゃんせ”の唄が脳裏を駆け巡り、“行きはよいよい 帰りは怖い〜・・・”と内心ハラハラしながら 頭も上げずに一心不乱に食べ続けているブル子を見守った。仕事は順調に済んだが、他の犬が散歩しているのを見かけると、一瞬我が子を思う母のように暗い気持ちになった。翌日昼頃帰宅すると、ブル子の顔全面に現れている怒りの顔つきにビックリした。「ふざけるな〜!」とでも言いたいような恐い目つき、エサをあげても「こんなことじゃ だまされませんからね〜」とでも言いたげな凄みがある。色々言い訳を並べても効き目がなさそうなので、睡眠不足で頭がクラクラしていたが、ボール遊び マッサージ おやつサービス・・・とあの手この手で機嫌を取って、いつものブル子スマイルが現れるまでつき合った。一件落着 一安心となったが、それ以来どこかへ外出しようとすると以前にも増してブル子が疑うようになり、毎回くどくど言い訳をしてから外出する羽目になった。でも「あれまで家にいたの〜?」などと家族に言われ、肩身の狭い思いをしている日本のパパたちよりは まあ ましかなと思うけど・・・
スペインの山岳地方には、日本でも話題になった(?)映画「ベーブ」のように、羊の誘導や番をする羊飼いの番犬が実際にいる。たまにテレビでも「ベーブ」の本物版のコンテスト風景を放映していて、結構面白いなあと思いながら見た記憶がある。羊飼いのおじさんのかけ声にあわせて、絶妙な走りを見せ、羊を誘導していく映像に、「ああ世の中にはよく働く犬もいるのになあ〜 それに比べてブル子は・・・」とあまりのギャップに、嘆きと羨望が入り混じったため息をついてしまう。もしブル子に働く犬の姿でも見せたら、一発奮起して親の手伝いをすすんでするような“親孝行犬”に変身するのではないか・・・。8月末にピレネー山脈の辺りでコンテストがあるらしい。チャンスがあれば行ってみたいものだ。生まれ変わったブル子の姿が目に浮かぶような、浮かばないような・・・。「前代未聞の親孝行犬」などと騒がれたらどうしよう。職変えして世界初の犬のステージママになるのも悪くないかもしれない。全てはブル子次第でございま〜す! |
| 第12弾
若者達に誘われて久しぶりにディスコへ行った。まあ真夏の出来事ダンスバージョンかという気持ちで行ったが、夜中の2時から朝の7時までなんとなくリズムに乗って体を動かしたものの、“何でこんなところにいるんだろう?”という疑問が何度も高波のように押し寄せた。単調なリズムと踊り、いくらモデルや俳優の御用達のディスコとはいえ、単にマドンナの真似じゃないと思えるようなファッションの若者が押し合いへしあう中、スペイン名産の煙草の煙がもうもうと立ち込め、吸いかけの煙草を指に挟みながら踊る=火傷を受ける危険十分という状況の中、これほど体に悪い場面設定もないだろうと呆れた。ただ唯一の収穫は、目の保養になったということだけだ。居るところには居るものだと感心するほど、スペインではめったに見られないハンサムなイタリアンモデルを間近に見れて冷静に観察してみた。まず顔が小さい! スリム! それに帰りがけに会ったら185cmはあるんじゃないかなという長身! 髪の毛をかきあげるだけでスローモーションで見ている映像のようで、とにかく絵になる。それに横顔も絶妙のラインを描き、世の中本当に不公平だなあと改めて思った。昔々からこういうハンサムが居たから、イタリアではダビデの彫刻も生まれたんだろうなと妙に一人で納得した。顔つき 体格 背の高さ どう考えてもスペインではああいう彫刻が生まれなかったのも当然かと思える。他に面白かったのは、軽く年増の域に入りかけていそうなチューブ?(タンクトップの肩ひもの無いの)を着た女性がバスとをユサユサしながら踊っているのを、デレーッと見ている周りの男性の視線が釘づけバンバンという感じで、どこの男もビジュアルに弱いなあと思った。今回のディスコは最先端のディスコなので“ロドリゲス”は居なかった。“ロドリゲス”というのは、夏に現れる妻子持ちの男性のことで、年齢は大体中年以上かと思われる。6月中旬に学校が休みに入るスペインでは、妻と子供達だけが一足早くセカンドハウスへ避暑に出かけ、7月は夫だけが市内に残り単身生活を送る。いまがチャンス?と 夫はディスコへ出かけ、若い頃はやった一時代も二時代も前のステップを踏みながら、妻の目の届かない なんとも自由な夏のアバンチュールを求めて短い夏のホットな相手を目指して進み寄るのである。その手のディスコへ行くと、壁の花か三段腹のロドリゲスかという感じで、ギラギラ視線で隙間無く壁に張り付いている。ちなみにロドリゲスは一般的なスペインの苗字だ。「hacer
Rodriguez」。辞書になくても覚えてしまった。
うちのブル子もこの頃悪知恵が働くようになって、呆れるような悪戯をする。先日も来客と落ち着いて話したくってブル子をベッドルームに閉じ込めて 吠えても無視していたら、後で大発見。本棚から自分でカタログを取り出して、わざとおしっこをひっかけてあった。怒られるのは百も承知みたいで、私の驚く様子を見て すかさず“お許しを〜!ポーズ”に入っている。癪にさわるけど仕方がない。こうしていつまでたっても新鮮な驚きの絶えない日々を送っている。
「hacer Bullco」=怒られるのを承知で悪戯を繰り返す
こんな熟語がブルママ辞典には記載済みだ。ロドリゲスにしろブル子にしろ、片目をつぶって見逃すしかないのだろうか? |
| 第13弾
突然 妙な感覚に襲われて「今 ○○がしたい!」なんて感じることはないかな? 今夜は何故かサザンオールスターズのCD“稲村ジェーン”が聴きたくなって、おまけに年に数度しか飲みたくならないコカコーラを飲みながらという自分自身の注文に少しビックリした。取り敢えず本能に逆らわずにしてみると、これが結構いける。コカコーラの味もなんだか懐かしい感じがするし、メロディーも耳から入ってくるというよりは、体自体が吸収しているみたいだ。特に気に入っている“真夏の果実”は、マドリッドに住んでいた頃、毎晩のように夜景を見ながら聴いたので、当時のことが思い出されて、しばしセンチメンタルな気持ちになる。まあ、単に秋になったせいかもしれないが・・・
8月末にスペイン人の女友達とブル子と3人でピレネー山脈の麓の村に羊飼いの番犬コンテストを見に行ったが、その直後から今年は秋に入ってしまった。初秋を楽しむのにはもってこいだったけど、突然すぎて夏の余韻もまったくなく、「はい これま〜で〜よ〜っ!」という感じだったので、せっかく最後の一滴まで残すまいと究極の抹茶アイスを食べた直後に、虫歯にならないように歯を磨いてしまった時のようにあまりに味気なく、もう少し晩夏のノスタルジーが欲しかった。冷凍庫に買い置きしておいたアイスキャンディーも出番を失った。
突然の変化というものは全体的に良い影響を与えないようだ。「ウサギより亀かな〜」なんて漠然と考えていたら、しまった小腹が空いてきた。
やっぱり食欲の秋だなあ〜。きのこ類が出回るのも時間の問題だ。市場に行って松茸や椎茸に似たきのこを見つけるとついつい匂いを嗅いで確かめようとすると、すかさず「それは??タケじゃないよっ」と店員に口出しされる。日本レストランの買い占めにあう前にどうにか手に入れて味わいたいものだ。フルーツは、ぶどう 梨 柑橘類が主流を占め、本格的に秋の味覚へと突入している。じきに焼き栗 焼き芋の特設スタンドが歩道に現れて、これでもかと秋を演出する。食べ物に平行して遊歩道や公園には鳩に混じって、お年寄り達が日向ぼっこに現れ、ベンチに座って時を過ごす。私はといえば、貧乏ヒマなしであたふたと毎日を送っている。このままで行くと日向ぼっこする余裕もなく、バリバリ動き回る80歳現役のスーパーおばばになりそうだ。
飼主が飼主なら、犬も犬。ブル子もじっと寝ているタイプの犬ではないようだ。私の横でマットにうずくまっていても、「よ〜し!」と無意識に言っただけで自分の遊んでもらえる番だと勘違いをしてボールをくわえておねだりをする。電話を切る前の「じゃ〜またね〜」も同じ動作へとつながる。私の歯磨きも、“この後は楽しいお遊びタイム”とブル子の頭にインプットされているらしく、待機の状態に入る。散歩に行けば猛烈に全速力でダッシュして、『哀れな飼主 髪振り乱して追走』現場を目撃されたこともしばしば、これが四季を問わず繰り返される。ブル子にももっと季節による行動パターンがあってもいいのではないだろうか。読書の秋とか、芸術の秋とか・・・・・・。食欲の秋のみではワンパターンすぎる。 |
| 第14弾
肌寒い季節になるとついつい「あ〜温泉に行きたいなあ〜!」と雄たけびをあげてしまう。頭の中には、温泉の肌に染みるような心地よさ、湯気に曇る秋の景色や温泉の独特の香り、糊のきいた浴衣にお茶に温泉饅頭、特に何をすることもなくぶらついた温泉街で見かけるつまらない土産物等、まるで手に取れそうなほどリアルに思い出せるのに、現実は厳しい。まあとりあえずバスタブに熱めにお湯をためて温泉のもとを入れて、“温泉ごっこ”をしてどうにかしのいでいる。登別 箱根 熱海 別府 草津・・・「よ〜し、今日は箱根だっ!」と箱根のイメージを頭に浮かべて、行った時のことなどを思い出しながらゆっくりつかるとそれなりに楽しめるものだ。昔、ある会社の保養所へ友達と行って、温泉につかりながら、誰か入って来やしないかとハラハラしながらも、日本酒とスルメを持ち込み、のぼせそうになりながらも“最高!”と思った記憶などもよみがえる。温泉に行くと一晩に最低5回は入ってしまう、札付きの温泉好きなのだ。
ブル子も親に似て結構風呂好きだ。バスタブにたどり着くまでは抵抗するが、一度入ってしまえばおとなしくしている。でも、隙を見て逃亡を絶えず企んでいるのでちょっとした目の動きも見逃せない。ひととおりシャンプーが終わると「よくガマンしたで賞」のご褒美をもらうまで、「ママ なんか忘れてないっ?」というふうにお座りをして待っている。体が乾いたら全身マッサージをしてあげるのだが、これはかなりリラックスできるみたいで、半分寝息を立てながらおとなしく15分ほどのマッサージタイムを満喫している。真っ白にきれいになった日は一緒に寝るとわかっているので、「おいで!」と呼ばなくてもベッドに入り込んで来る。寝る位置が決まったら早々といびきをかき始め夢の世界へまっしぐら。犬のくせに大の字になってベッドを占領する。夜中にトイレ休憩に行く以外は、寝返りをうちながらも熟睡しているみたいだ。翌朝の目覚めはいつものようにキスの嵐で始まる。「おはよう」の代わりなのだろうけど・・・。
今の我が家にはブル子はなくてはならない存在になってしまった。たまに親子喧嘩をしながらも、毎日一緒に楽しく暮らせれば特に大きな望みを抱く必要もない。一緒にいられるだけで十分幸せだ。今、物騒な“菌”が世界を騒がせているが、“ブル子の愛情菌”感染はなんとも手がつけられない。私の場合、たぶん脳の深層部まで進行してしまったのだろう・・・もう手遅れかもしれない。 |
| 第15弾
スペインでは12月の頭に毎年連休がある。今年は4連休だ〜っ! 昨日まで猛烈なスケジュールをこなしたので、今日はのんびりと雑用でも処理しようかと思っていたら、ブル子が“ママ暇ですコロン”の匂いを嗅ぎ分けて、なにかと催促をする。テニスボールをくわえてボール遊び、サッカーボールをくわえて振り回し、ボールの取り合いゲームの催促をしてくるのはいつものことだが、今日はドスの利いた声で何か文句を言っている。“ワン”と言っても色々な意味合いがあるようだ。それは「遊んでよーっ」だったり、「ママつまんない」「かまってくれないとグレるからねっ」かもしれない。叫ぶだけじゃなくて飛び上がって左右の手を浮かしながら要求の動作を繰り返し、瞳はこれほど真剣な眼差しはないと思われるほどストレートに意志を表し、「巨人の星」のごとく炎まで見えそうだ。こちらの都合もあるので、双方の意見の歩み寄りを求めて別に遊んでいるわけじゃないとブル子に説明するけれど、「聞く耳持たず!」と一喝されてしまう。仕方なく「じゃー遊ぼうかっ?」のひとことにブル子はこのチャンス逃すまいと一目散に遊び場にダッシュする。そして30分1本勝負のバトルが始まる。やる気十分のブル子に対し、こちらはやる気35%くらいでのぞむので、ついつい惰性で声も出さずにボールを投げると、途中でボールをくわえたまま、「ママ遊びたくないわけ〜っ?!」とでもいう感じのにらみを利かせて静止する。しかたなく「おじょーずっ」「がんばって」などと声をかけて参加意欲を見せてやるとブル子も満足そうにボール追いに熱中し、エネルギーを使いきりガス欠状態で床に伸びるまで遊びつづける。肉体的に満足すると、次はのどを潤すべくミネラルウォーターを回りに散らばしながら噛むように飲む。用が済んだら親の存在などさっぱり忘れて勝手に休憩時間に入り、1分後には豪快ないびきが始まる。休んだら小腹が空くのは犬も人間も同じで、時間帯によっておやつ、夕食を欲する。あっという間にたいらげて、食べるときの倍くらいの時間をかけて口の回りをなめてエサの余韻を楽しんでいる・・・。
散歩で気晴らしを楽しみ、また同じサイクルでブル子の1日が過ぎていく。仕事もしなくてすむし、税金だ別れ話だ等とつまらぬ人間生活のしがらみで悩む必要もなく、安定した環境で一定のパターンの日々を過ごしているのを見ると、「あーブル子になりたいなー!」と時々思うけど・・・ブル子はブル子なりの夢や悩みがあるのかもしれない・・・。例のいびきで悩みや喜びを暗号のように表現しているのかもしれない。耳をすまして聞いてみると、何かが隠されている気もしてくる。誰も本気で調べたことがないけれど、ノーベル賞ものの大発見になるかもしれない・・・。とりあえずインターネットで調べてみようかなあ。それとも子供電話相談室に問い合わせる・・・? なんか面白くなってきたぞーっ!! |
第16弾
スペインのクリスマスは他のヨーロッパの国と違い、12月24日から翌年1月6日まで続く。11月の末ともなればプレゼントの宣伝がテレビや街頭に溢れ出し、ショウウインドウも華やかなデコレーションで飾られる。12月に入ると一般商店やスーパーマーケットは家族連れの買い物客でごったがえし、買い物用カートには、この時期必ず食べるアーモンド菓子類やスナック菓子、少し贅沢にトロピカルフルーツ、乾燥フルーツ、リキュール類、清涼飲料類、ワインにシャンペン、そして料理の材料等が山のように積まれて食料大移動となる。12月22日にはクリスマス特別宝くじの当選発表が早朝テレビで生中継で放送されるので、宝くじ券を片手に一攫千金を夢見て釘付けになって見入る人もいるようだ。昼のニュースでは当たった地方の実況中継が行われ、シャンペンを飲みながら満面笑顔で飛び跳ねる人が映る。そして後日宝くじ券の共同購入者同士の内輪もめのニュースが必ず流れる。家族にも告げず消息不明になる人もいる。このようなあわただしい雰囲気も24日の夜を迎えると一転して、町中に静寂とごちそうの匂いが漂うのみとなる。この状態が26日の夜まで続く。どんなに親しくても家族の固い団結ムードの中に外人を招待してくれる余裕はなく、外人はそれなりに慎ましやかに集まって細々とパーティーなどすることになる。31日は日本のように大掃除をする習慣もなく、家族または友達と夜は過ごす。そして最後に大切なイベントが残っている。12粒のブドウを鐘の音に合わせて食べるのだが、テレビやラジオの特別番組の実況に合わせて一粒ずつ食べていく。食べ終わるとちょうど新年になるわけだ。新年の目標を立てるわけでもなく、なんとなく1月1日を過ごすのだが、今年はユーロのせいでいつもとは違った緊張感が少しはあったにせよ、大して混乱もなく過ぎ去った。明けて2日はユーロが実際に出回り始めたので、多少の計算違いは起こるべくして発生したようだ。おとそ気分で5日に突入。夕方には東方の三博士の大パレードがスペイン各地で開催され、家族連れでばら撒かれるアメを拾いに繰り出していく。この国ではサンタクロースの代わりに、この三博士がプレゼントを持ってきてくれるので、子供達は欲しいものを手紙に書いて博士に送っておく。良い子にしていなかった子には、石炭の砂糖菓子のみが与えられるので、パレードの最後部にはちゃんと石炭満載のトラックが用意されている。6日の朝にはプレゼントが用意されていて、子供も大人も楽しげに開けるようだ。残念ながら我が家には博士からのプレゼントが届いたためしがない。ママに来ないわけだからブル子にも来るわけがなく、二人でちょっと気まずい気分になったが、ブル子には「東方の三博士は日本語が読めないから手紙を送ってもだめ」とか「宗教が違うから」とか説明したけど、なんとなく疑っている顔つきをしていた。まあプレゼントがない代わりに、遠回りの特別散歩に連れて行ったら、奮発して4回もウンチをした。今年も微妙な“運”拾いからスタートする羽目になった。これも一種の贈り物だろうか?
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| 第17弾
親子揃って体育会系の我が家では、じっと机に向かって勉学に励むよりは、とりあえず体を動かし汗を流し、それが原始的かつ自然な成り行きで食い意地へとつながる傾向にあるようだ。「ママ また行くの?」とブル子に呆れられながらも、ほぼ毎日ジムに通っている。エアロビ、ジャスダンス、太極拳、ヨガ、水泳等の目的があるときもあるが、単にシャワーを浴びるだけだったり、サウナにひと汗流しにという日も多々ある。ブル子には「お風呂屋に行ってくるからねー」とひと声かけていくのだが、バッグに詰めものをし始めると敏感に察知してどうにか行かせないようにしないと、あの手この手でブル子の飽くなき引き留め作戦が開始される。
「第1ステップ=バスマットの華麗な登場」 バスルームから引きずってきたバスマットをくわえて振り回し、前足で押さえ込みママの神経に直接通じそうなビリビリという引き裂き音で気をひこうとする。「第2ステップ=ママご愛用サンダル・靴の登場」 収納専用部屋のドアを頭や足を使ってこじあけ、近場にあるものから手当たり次第にくわえて逃げ出す。噛んだり引き裂いたり、これまで何足のサンダルをダメにされたか・・・。くやし〜い!「第3ステップ=土壇場ジャンプの登場」 出口付近で猛烈にジャンプして飛び掛り、体当たりで引き留めようとする。それでも効果がないとドアの隙間からママより先に力づくで踊り場へ飛び出し、階段を勝手に降下してゾッとさせる。(万が一1階のドアが開いて勝手に外に出たら、車にひかれて死んじゃう可能性がとても高いので・・・)
こんなステップを踏みながらお風呂通いを続けているのだが、この頃はこちらも奥の手を使ってブル子の汚れなき悪戯を封じ込めている。目には目を、歯に歯を、食い意地には食べ物を、というわけで、「あっそー、ブル子はリンゴいらないのねーっ!?」、「じゃー今日はゴハンNOよ〜っ」などという言葉に食べ物だけには負けてしまうと言わんばかりに、悪戯をいきなりストップする。「リンゴ」や「ゴハン」という言葉は、ブル子にとって、ウッディー・アレンの映画に出てきた「コンスタンチノーブル」や「マダガスカル」という呪文に匹敵するようだ。呪文の賞味期限は未定だが、今のところ効果は結構あるのでひと安心している。
サウナに入るときは必ずマッサージをしている。タイで習ってきたのを美味しい部分だけ選び出して黙々とするのだが、スペイン人の目には謎の東洋人のように映るらしく、時々「何式マッサージ?」と英語で聞かれる。「タイ式よ」と英語で答えると、サウナに居合わせたスペイン人が「なんか本格的ね〜」とか「利きそうね〜」とかスペイン語でやりとりしている。成り行き上、スペイン語が話せない設定になってしまったママは、つじつまをあわせるべく、「BYE NOW」と言ってサウナを出ざるをえない状況になる。妙な外人になりきるのも面倒くさいものだ。毎日ブル子にしてあげるトーク付きマッサージは、筋肉のほぐれる効果と、気分の落ち着くリラックス効果を狙っているのだが、「ウーンウーン」と目を閉じてうなるだけなのでどのくらい気持ちいいのかはわからないけれど、顔つきを見るとかなり幸せそうなのでたぶん気持ちいいのだろう!? バカンスで来ているブルジジ ブルババは「ブル孝行より 親孝行しろ!」と盛んに言うけど、「I
don't know」とまたまた外人に戻る今日この頃だ。 |
| 第18弾
5ヶ月にわたって続いた超人気番組「OPERACION TRIUNFO」がついに終了した。10人ちょっとの男女の若者が合宿形式の生活の中で、ボイストレーニングを受けたり、エクササイズで体を鍛えたり、マスコミとの対応の仕方等を専門家から習ったりしながら、毎週2、3人のグループを組んでいろんな歌に挑戦して、生き残りをかけながら“スター”への道を勝ち進んでいくという内容だった。たまにチラッと見たりしたが、声の伸びや、音域の幅の広がり、音程の安定感、立ち振る舞いのなれ加減なんかが結構露骨に変化していって、「結構やるじゃない!?」なんて思っていたが、最終的に3人にしぼられて、女1人、男2人が残った。そのうちの1人 ROSAという女性は、なんとこの5ヶ月の間に25キロも体重が減って、「おや ま〜っ!」というほどきれいになった。といっても100キロが75キロになっただけだろうけど・・・。最後に生き残った1人が今年の「EURO VISION」という国際コンクールに出るカギを握れるということで、スペイン全土で誰が勝者になるかという話題でもちきりだった。出身地の村々では“うちらが村の○○が勝つんだべ〜”と村をあげての大応援。村長さんも村人もポスター片手に持ち歌を大合唱。そしてついに“スター誕生”! 例のROSAが勝ち残った。翌日はテレビのニュースでもそのもようが放映され、雑誌の表紙はROSA ROSA ROSA・・・という状態だった。彼女だけでなく他の全メンバーもVIPなみの扱いを受け、行く先々で護衛がつき、いろんな番組に出演したり、それぞれが持ち歌を披露したり・・・と、とにかく国民的英雄歌手団として人々の熱い視線を受けている。あのテノール歌手のプラシド・ドミンゴまでが彼らと共演してみたいなどと言う始末。スペインは平和だな〜と思わず唸ってしまった。
我が家も1ヵ月半にわたるブルジジ・ブルババの“熟年リズム”というか、“半解凍チルドボケ状態”のリラックス滞在が終了して、束の間の“平和”が家中に漂っている。ブル子は1年ぶりなのに彼らの匂いを覚えていたらしく、すぐに家族モードに入っていた。散歩のときは左右から護衛しているような動きを見せ、食事中はブルジジの足元でじーっつと食べこぼしが落ちるのを狙い続け、暇にしているブルジジの暇さを逆手にとってボール投げを強要し、隙をついては所持品を奪い取って加え、シッポをブルンブルン振り回して、ブーメランのごとく毎年舞い戻っては長期滞在するブルジジ・ブルババに、ブルママフレンドも「え〜っ、また来るの?!」と冷ややかな反応を示したが・・・ブル子は唯一 陽性反応=遊び相手の増員に拍手 でうれしそうな表情をし続けた。彼らはすでに10回くらいは遊びにきているので近場で案内できる名所も底をつき、おまけに“労働者の見本”と表彰されてもおかしくないブルママに一攫千金ガポガポ大仕事が舞い込み、仕事優先と“老人は姥捨て山に”状態になったので、ブルジジ・ブルババは2人でテネリフェ島のカーニバル見物に恐る恐る出かけていった。ところが意外や意外、冬場に出かける常夏の島の解放感に魅了されて、大満足で帰ってきた。デブでもスターに、ジジババでもリゾートに、予想外の展開がありうるのだから、ブルママに素敵なカレがもれなく当たっても不思議じゃない気がしている今日この頃だ。あ〜春は近い!! |
| 第19弾
今年のセマナ・サンタ(復活祭)は例年よりかなり早く3月末にやってきた。やっときたといっても別にソリに乗ってやってきたわけではない。のどかな3月のポカポカ陽気の日々をいきなり裏切るように、寒気団と雨雲をスケさんカクさんのごとき両脇に侍らせて、スペイン全土を練り歩いてくれた。今年は特にテネリフェ島の辺りでかなりの被害がでたみたいだ。ここはブルジジ・ブルババが2月に例の“姥捨てバカンス”に行ったところだ。バルセロナは被害と呼ぶほどの惨事はなかったにせよ、毎日寒くて雨ばっかりの日々が続き、ブル子も散歩に行けずに喰っちゃ寝を繰り返し、自慢のウエストラインも2サイズ増大して「ムチムチ子ブタ嬢」に変身してしまった。
こういう時期は家で読書に限るなあ〜!ということで、“読書グッズ”を揃えてベッドの上で読書三昧の連休を送った。読書といえば、目だけでなく口元が寂しがるわけで・・・、甘・辛スナック菓子がベッドにずらーっと並んで出番を待ちわびている。寒くておまけに湿気にやられて読んだ内容がアッというまにカビてしまうので、なぜか林真理子のエッセイに初挑戦して、自分でも呆れるほどハマッて10冊以上読んでしまった。彼女の存在は、日本にいた頃電車で雑誌の中刷り広告で見たことがある程度で、今まで一冊も読んだことがなかった。いろんな雑誌にエッセイを連載していたみたいだけど、その手の雑誌も買ったことがなかったので、必然的に文章にもおめにかからずじまいだったわけだ。顔もなんとなくああいう顔だったのね〜?! 程度の記憶に留まっていた。ところが一気に10冊以上も読みまくると、林真理子が自分と一体化したような錯覚を感じとても妙だ。彼女がアンアン等の雑誌のエッセイや小説で注目されていた頃、花のOL生活をしていた私。今でこそブルママなぞという肩書き?に埋もれているが、「東京 丸の内のオフィースレディだったんだからねっ!」と訊かれもしないのにしゃべりたくなるのは、やはり彼女の影響か?! その当時流行っていたことや脳みそのDNAに絡みついていたバブル時代の様々な出来事が、マグマのように記憶の底から地表にドバドバ溢れ出し、“休火山 大噴火かっ?! ”というほど一人で盛り上がってしまった。彼女のエッセイの中で、「当時つきあっていた男が海外出張の土産にJALの機内販売でスカーフを買ってきてくれたのだが、セリーヌ製だった。もう少し気合を入れればワンランク上のエルメス製があるのに、小銭を出ししぶってセリーヌ製をプレゼントしてくれたわけだ。文句は言えないけど、この男との仲もそろそろ終わりかなっ?と思った。」という内容だったが、いいところついてるよな〜っと思った。人は些細なことで相手の心が読めるときが多々あるものだ。イチゴをブル子と分けあって食べるとき、誰が見ているわけでもないのにブル子に大粒のほうを選んでしまう。ブル子への愛情は少しも薄れる気配を見せず、反比例するように男運は薄れたままだ・・・。どうしたら濃くなるのだろうかっ?! インスタントコーヒーのように粉末を増量すれば済むという問題じゃない。誰か教えて〜っ! |
| 第20弾
半年に一度のブル子の定期検診に行った。犬屋と獣医が提携している場所なので、犬屋を通ってから、担当のカルロス先生のいる診療所部門へ行くのだが、犬屋に入った途端、犬のくせに人が変わったように店員、お客に擦り寄って“会いたかったのよ〜!私ブル子よ〜!”とアピールを繰り返し、床の上を犬かきならぬブルかきで、うつ伏せに泳ぐようなかっこまでして喜びを体全体で表現するので、店員は“ああ〜またこの犬ね〜”という感じだったが、たまたま居合わせたお客は“なんだかわからないけど とにかくどうにかしなきゃ”という感じで、子犬をすくいあげた。以前は行く度に店員に「2歳になったら落ち着くはずよ」とか「思い切って性格の変わる薬飲ませたら!」等といろいろ言われたが、さすがにもうすぐ4歳、人間の年齢にすると30歳前半になるというのに、まったく無邪気さを失わないのを見せつけ過ぎたせいか、この頃では何も言わなくなった。テレビでペットの番組なんかを見ると、普通の犬は獣医に催眠術でもかけられたようにおとなしくしているのに、ブル子は例のごとく大暴れ。“ブル子”と聞いただけでパブロフの法則のごとく、カルロス先生があたふたと机の端に置いてあるものを中心に素早く掻き集めているのが、部屋に入る前からチラッと見えた。こんなブル子でもカルロス先生は一度も嫌な顔をせず、「よく来たね〜っ!」と迎えてくださるから、母としても誠意を見せようと先生の誕生日には毎年“ブル子からです”と言って、花束なんかを届けたりしている。定期検診は、目 耳 歯 皺や指の間の状態、毛並み 体温等をチェックするのだが、今回はふけ症と軽い脱毛になっていたのでそのへんを中心に診てもらった。診断の結果特別のシャンプーとビタミン剤の飲用のダブルで治療することになった。週2回のシャンプーと聞いただけで、“体力つけなきゃ”と本気で思った。雌は乳ガンになりやすいので乳房の検査はつきものだが、8.5個あるおっぱいを摘まれたりすると、「うちの娘に何てことするんです!」と一瞬言いたくなったが、検診だった...とはたと気がつき、バースデーケーキのキャンドルなら20本なら軽く吹き消せたような荒々しい鼻息をグッと押さえた。ブル子用特別シャンプーはママ用シャンプーの3倍以上もする、つまり1本分で3本買えるということだ。なんか高校生の娘が一流メーカーの高級シャンプーためらいもせずドバドバ使っているのに、親はマツモトキヨシあたりのカゴに山盛りに積まれているバーゲン用シャンプーをチビチビ使う感覚に似ていないとも言えない。なんか妙に不公平だと感じるのは私だけだろうか?
今年に入って(飼主がいるけど)放し飼いの犬が人に危害を与えたニュースが続出して、政府もついに乗り出して、危険な犬の種類を指名手配のように発表した。これらの種類の犬の飼主は飼える素養があるのかというテストを受けなきゃいけなくなり、楽な道を選びたがるスペイン人は単純に“捨てる”を選び、山や森は捨て犬が増えた。毎年バカンス前になるとかなりの犬が捨てられ社会問題になっていたが、今年はそんなもんじゃないようだ。おまけに森で犬を首吊り状態にして放置して殺すケースも現れ、そんな映像を見て本当に悲しくなった。犬のため旅行を我慢する人もいる一方で、面倒くさいからポイッという人もいるのだ。犬の世界もどこに生まれたか、拾われたかでずいぶん差があるものだ。「そう思わない?!」とブル子に相づちを求めたけれど、豪快ないびきが響くだけであった。平和のシンボルをシンボルを鳩からブルに替えてはどうかと本気で思った。
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第21弾
ヒェーッ 今年のサン・ホアンの祭りもどうにか無事に乗りきった。毎年6月23日から24日にかけて夜中中、爆竹と花火がバルセロナの街中を大騒音で埋めつくす。火と大音響大好き人種スペイン人にとっては、楽しい祭りなのだろうが、犬の飼い主にとっては最悪の夜となる。ただじっとしているだけでも汗がドバドバ噴出すような、サウナ要らず地中海性熱帯都市と化したバルセロナで、二重窓を締切、日除けのブラインドまで完璧に降ろして、ドアというドアを全て締切、爆音が上がるたびに走り回り吠えまくるブル子をなだめたり、抱きしめたりしながら、室温35℃以上かと思われる密室で早く空が白んでくれないものかと祈りつづける羽目になる。友達にお祭りパーティに招待されても、「ブル子が一人じゃ心細いだろうから残念だけど行けない」とここ数年断り続けている。”コカ”と呼ばれるパンとパイの出来損ないのような甘い食べ物をシャンペーン片手に食べて、サルサに合わせて踊り狂い、花火と爆竹を鳴らして騒ぐというのが一般的なパターンだ。音楽も爆竹もボリューム目一杯の状態なのでいつもこっそり耳栓を用意していった記憶がある。あんな音に耐えられるのは子供の頃から鍛えられているせいか?本来はいらなくなった家具とかを道路の交差地点に積み上げて燃やしたようだ。今でも翌日黒々としたアスファルトの”乱痴気騒ぎのオトシゴ”を見かけることがある。そして名実共に本格的な夏に突入というわけだ。冬はこもりがちのスペイン人も気温の上昇とともにピソから這い出してきて、夜な夜なサマーナイトをエンジョイし始める。学校は夏休みに入るしバカンス休暇は目の前だし、もうスペイン中働く意欲よりお楽しみモードが先行して”上の空状態”になってくる。そうなると夏休みの過ごし方が”話しのメインディシュ”を独占し、その他の事は”つけ合わせ”か”単なるパン”程度になってしまう。この時期になるとブルママは急に貝のごとく無口になってしまうのでありまする〜〜っ。ブル子が来て以来バカンスからは見放され、ブル子の世話と雑用で、アッという間に夏が過ぎ去っていってしまうというのが現実だ。ブル子を犬用ホテルに預けて何処かへ遊びに行く手もあり、長期短期合わせて3軒チャレンジしたが、あまりケアーしてくれず、丸々太って、ダニのおまけまでついて帰って来たりと芳しくない経験が残り、ブル子の”捨てられたかと思ったわ〜”みたいな反応の仕方にゲンナリしてしまい、極力預けるのは避ける方向へと向かってしまった。それに加えて「貧乏は続くよ、いつまでも〜、週〜超え 月超え 年越えて〜・・・」と”線路は続くよ”の替え歌にピッタリの経済状況だと端から”問答無用 言語道断 夏休み返上手形”を書留で受け取ったも同然で、今年も居残り組は確実だ。どんな状況でもだめだ!と初めから諦めたらなにも始まらない。サッカーワールドカップ韓国チームのように気合と応援ムードが加われば、本来以上の力を発揮できるというものだ。それにしてもサポーターの応援は効果30倍というところか?!なんたってベスト4!うちのブル親子のバカンス・サポーターをかって出るような奇特な方はいないだろうか?参加するだけで一生の思い出になるのは確実だと思うけど・・・。ワールドカップ日本チームで応援し足りなかったり、再度盛り上がりたい方はご連絡を。ブル子もよだれをたらして待ってま〜す。 |
| 第22弾
今年は夏をエンジョイしてみようと、いろいろリストアップしてガンガン実行しているわけだが、パーティーは必然的に週末におさまり、平日は雑用とレジャー中心に夏バテもなんのその、と体力一本勝負でのぞんでいる。生活に追われて久しく行ってなかった海にも足を伸ばした。観光収入で成り立っているこの国には、年中観光客がわんさかやってきて、島なんかに行くとはっきりここはドイツ占領地域とかイギリス占領地域とか見分けがつく。ドイツの場合はフランクフルト屋が立ち並び、海岸にはトップレスのおばさん、おじさんが並列になって日焼けを楽しんでいる。イギリスの場合はバーガー屋がぞろっと並んで、海岸には白い肌を焼きたいのに単に赤く色づいただけで見ててもヒリヒリしそうなきっちりセパレーツ水着を着た人々がかたまっている。そしてホモのメッカの島やビーチには、各国からやってきたピンキリのホモがたむろしている。男同士のカップルが当然ながら多く、レストランにもオープンカフェにもウヨウヨッ。カップルでリゾートしに来てるパターン、ひと夏のアバンチュールの相手を目当てに来ているパターンとそれぞれのようだが、「どうやって誘うのかなっ?」という素朴な疑問とオババの好奇心が相まって、サングラスの奥からスペインの太陽にも負けないようなギラギラ光線を発しながらちょっとばかり研究してみた。「いや〜っ、もったいないな〜。彼もか〜っ!」イタリア人かと思われるハンサムな若者が、お目当ての男に媚をうって甘えた表情で話しかけている場面なぞ見かけると、「女も男も変わらない仕種でアピールするものだなあ」と妙に感心した。こんがり焼けて長身で紫色の超ビキニを辛うじてつけたウェーブのかかった肩ぐらいの長さの髪を海風にさらしながら、楽しげな表情で小走りに海に向かっていく男を羨望の眼差しで追っているまわりのホモのデレ〜ッとした表情を目の当たりにして、「女にも男にもアイドルは必要。ただホモの場合は同性のアイドルというだけかっ?!」と感じた。以前ホモの友達が「きれいな人は男であれ女であれ きれいだっ」と言っていた言葉が脳みその中をグルグル渦巻いた。確かに“きれいな男”というのは世の中に存在する。それに“女よりよっぽど女らしいオカマ”が存在するのも事実だ。じゃ、ブスはいったいどーなるわけ?!と一瞬暗い気持ちになったが、今は「美容整形」という魔球があるのさっ!「全取替えでいいから中山美穂でお願いします」と整形外科で頼んだところで「お客様 それは〜・・・」と敬遠されてしまうかもしれない。巨人軍の長島選手も言ってたとおり、世の中には“限界”というものがあるらしい。無念だ〜っ!犬の世界にも同性愛なんて存在するのかどうか知らないけど、ブル子の場合は特に同性に興味を持たないどころか、オスに遭遇したときなぞには完璧に「あたしを誰だと思っているのさ〜」と言わんばかりの態度でファイター・ブル子に変身する。万が一ホモ犬オカマ犬がいたとしてもブル子のひと睨みで尻尾を巻いて逃げていってしまいそうだ。21世紀は“強い女の時代”だなあ。 |
| 第23弾
ああついに今年の夏も終わってしまう。いろいろ盛り沢山だったけれど、なにかメインディシュの欠けたような夏だった。食べるのは好き、でも料理は嫌いというジレンマが続いていたが、ついに年貢の納め時 とでもいうように今年になって少しは料理をするようになった。8年も前に買ったオーブンも初めて使ってみた。友達の自家製チーズケーキに魅せられて、自分でも作ってみようと思ったのが運のつき、恐る恐る点火してみたらちゃんと使えた。どうせ作るならいっぺんに作ろうと、上中下段フルに生かして3種類のものを一時に作ろうなどと無謀に考えるのはお手のもの。少しはレパートリーも増えたみたいだ。 そういえば包丁もちゃんとしたドイツ製のがあるのに、果物ナイフのみで何年もしのいだ経験がある。ある時友達がカレーライスーを食べに来た。いつものようにフライパンで作り始めると、"へ?、フライパンでカレーが作れるんだっ!?" とのたまうではないか。 "じゃ
普通はどうやって作るわけー? "といきまいたところ、"そりゃ 普通はなべで作るんじゃない"と勝ち気に言い返してきた。ハッキリ言って私の中ではカレーライスはフライパンで作るものだとインプットされていた。それに加えて果物ナイフで材料を切り刻んでいると、"や〜ね
、ここんちはまともな包丁もないわけー!"と軽蔑のまなざしで嫌みの一つものたまうではないか。許してはおけぬ とゾーリンゲンの見事な包丁を振りかざしたところ、"あるんじゃない こんな良いのが、、、、"とばれてしまい、いかに料理をしなかったかが、こっそり溜めておいたへそくりが小金つぼからどどど っと溢れ出るように、一気にばれてしまった。それからは仕方なく包丁も使い始めたわけだ。スペイン料理も美味しい物もあるが、毎日食べるのはちょっとねというのが多く、インターナショナルな味覚を求めて、今日はラクダに乗ってキャラバン旅行のつもりでレバノン料理、今日はパルテノン神殿をソクラテスと散策したつもりでギリシャ料理、 今日はエステに行けそうもないのでせめて味覚だけでも楽しもうと韓国料理、、、、と行ける範囲のレストランへ行ってみたが、そう度々通える程小金が余っているわけでもなく、結局どうにか自力で作るしかないという、食い意地クイーンにとっては厳しい環境に立たされているわけだ。ブル子は羊肉と米を配合したドッグフードを食べているのだが、結局人間の食世界で言えば毎日コーンフレークを食べさせられているようなもので、なんか情けないような気もするけど、ブル子だって"かんべんして"とお手上げ状態になりかねない"まず飯プロ"のブルママ飯よりは、それでもましな気がする。乾きもののドッグフードを一生懸命に食べる姿は、小腹が満たされる満足感がみなぎり、世界一幸せなブルドッグに見えるのだから不思議だ。あまり世の中、いろいろ知り過ぎない方が幸せなのかも知れない。今年も残るところ4ヶ月のみとなってしまった。バランスを考えながら、"メインディッシュのある お子さまランチ風タイムテーブル"で暮らしてみようかと考えている。人生、大皿小皿のコンビネーション構成が大切だ。でも食べ過ぎには注意せねば!! |
| 第24弾
ブーブーブー!!!"うるさいなあ、いったい誰だ?!こんな早くにブザーを鳴らすのは???" 時計を見た。8:30だ。"来客なんてないはずなのに、、、!"と呟いた瞬間、頭のスイッチがオンになった。そうだ今日はブル子を連れてミニ旅行に行く日だ。ととととにかく返答せねば、、、慌ててインターフォンのところへ駆けつける。"おはよう"とスペイン人のM子が楽し気な声で挨拶している。"ごめんね ブル子がうんちをバラ撒いたので、ちょっと時間がかかりそう!!!" と嘘ぶき、 前夜の内に用意しておいたセットを鞄につめ、リストアップしておいた点検項目を瞬時で仕上げ、ブル子に朝御飯をあげ、髪の毛を振り乱してどうにか12分でセーフ。本当は7:00に起きて作るはずだったお弁当は、車が走り出してもう戻れない辺りで慌て過ぎて持ってくるのを忘れたふりをしてどうにか切り抜けた。労働拒否症候群が発生する9月は登校拒否の子供のように、体調も日本の景気のように右肩も左肩も下がって何となくだるく、やる気も前月度比マイナス150%かという状態になり、やたら宝くじを買って神頼みに走り、結局かすりもせず益々逃げ場を失い、強度な拒否反応が体も心も金縛り状態にさせてしまう。ブル子が来てから4年連続夏休みに旅行へも行けずにバルセロナに留まらざるを得なかったストレスが地層のように堆積して、労働拒否症を悪化させる要因にもなっている。このままいくと地層に圧されて化石になりかねない。だが一人でストライキをしたところで時は絶えず進み、お仕事タイムは巡ってくる。そんなしがらみに絡まれながらいつの間にか10月に突入してしまい、疲れた状態でこの週末を迎えた。"目覚まし お前もかー!"誰が止めたのか知らないけれど、非協力的な態度で希望時間に起こしてくれなかった。不運が重なる時は重なるものだ。まあそれでもどうにか一泊ミニ旅行はスタートした。J男とC男が土壇場になってキャンセルしたので、M子とA子とブル親子の女4人旅となった。目指すはトルトーサ、バルセロナから南に3時間くらいの暖かい田舎町。A子の家族が持っているオリーブ畑に囲まれたセカンドハウスへ行ってのんびりしようという企画だ。周りは山に囲まれ、昔からの農家らしく一面オリーブ畑、強烈な夏を思わせる日ざしを遮るものは何もない。これだけ広けりゃ大丈夫だろうとブル子を放しがいにしてみた。ウサギなんかに目がくらんで逃走するんじゃないかという懸念もなんのその、自由気ままにみんなの近くをじゃれながら歩いて、落ちている実などをすかさず食べ、メンバーの中で一番幸せそうな顔をして辺りの散策に加わっていた。昼にパエリャを食べながら、調子づいて地酒を許容量以上にガンガン飲んでしまい、満天の星空が歪んで回る程脳みそまでアルコールに侵され、残念ながら夜の部不参加となった親を見捨てて、ブル子は他のメンバーと夜中まで超エンジョイモードに浸っていたようだ。翌日奇跡のカムバックを果たした親に朝の挨拶をすることもなく、お気に入りのクッションに座って朝の日光浴なんかを勝手に楽しんでいる。午後に行った海岸では初めての海も全く恐れず、波の中にバシャバシャ入って、海の水など舐めてはしゃいでいた。みんなが石拾いに夢中になっている間、一人でタオルの上にちょこっと座って海を見つめている姿は、犬とは思えない貫禄があり、前世人間だったんじゃないかなあという予感がした。少しはめをはずして食べたいろんな食べ物や、歩き回った畑や山道 海岸、日溜まりや海岸で風や波の音を感じながらできたうたた寝等、ブル子にとっては初体験のことばかりだったけれど、たまには日常を離れてリラックスするのは犬にとっても人間にとっても大切だ。またいつかチャンスが巡ってきたら行ってみたいものだ。 |
| 第25弾
秋はロマンティックで知らぬ間に感傷に耽ってしまう季節であると同時に、夏の熱さに惑わされ炎天下の砂浜のように熱く熱く燃えた思いが、ひっそりと冷めていく季節でもある。
秋風が吹き始めた頃、P君との熱々揚げたてのようなホットな仲も日増しに冷めていった。一年半くらい前から付き合っていたのに、苦しい別れを選択せねばならなかった。P君のファミリーはもともとはアメリカ出身だが、P君自身はスペイン育ちだ。いかにも地中海育ちのおぼっちゃまという雰囲気が万人から好かれ、気取らない性格が相まって友達も多く、いろんなパーティーにお呼びがかかった。いっしょに海へ行ったり、公園で読書を楽しんだり、深夜映画を見に行ったり、と この一年半一緒にいろんな所へ遊びに出かけた。どこへ行っても年令 性別に関係なく、誰からも信望を集めている姿に嬉しい反面 ちょっとジェラシーを感じたくらいだった。P君といると、若いスペイン人の女性達が羨望のまなざしで見てるのが分かって、結構お姫様気分になれたものだ。P君の風貌はスリムで、特に筋肉モリモリタイプではなく、ずば抜けてハンサムという程でもない。みんなの中にいると浮く程目立つ存在ではなかったけど、P君の放つ香しいオーラに惹かれて皆が輪を作って語らいを楽しんだ。P君の素朴さや、そばにいてくれるだけで安心でき、いつでも気軽に付き合える点が好きだった。
でも段々 皆が意外に知らない彼のちょっとしつこい ギラギラした性格や、彼の隠された単調アメリカンな部分なんかが気になり出してから、サックリしていた関係が一気に湿り気を帯びて、あまり一緒にいても心が弾まなくなってしまった。いまだに買い物に行って バッタリ会ったりすると、P君は相変わらずのナイスフェースでラブコールを送ってくるけれど、将来のことなどを考えるともう付き合わない方が良いと思うので、涙を飲んで無視せざるを得ない。P君そっくりの兄弟達とも仲良くしてきたけれど、残念ながら遠縁になってしまった。長い秋の夜にはP君にそばにいてほしいと時々思うけど、後味が悪くなる前に別れた。いったいどんな彼と付き合っていたのか 知りたければ、スーパーマーケットのスナック売り場に行けば 90%の確率で会える。 名字はLAY。チーズ オレガノ トマトの地中海風ポテト三兄弟と言えば、すぐわかるはずだ。まあP君と付き合って残ったことと言えば、ベッドの上で 楽しくいちゃついた夜の思い出と ウエスト付近にたまった プルプル揺れる三段腹くらいだ。それにしても秋の読書には相棒がほしい。今度はスウィートな彼でも募集してみようかな?
ブル子も実はP君の隠れファンだったようだ。P君と夜の読書会をしている間もブル子はそばを離れようとせず、二人でいちゃついている様子をジッと睨み付け、隙あらばP君を略奪しようと、何度も試みていた。やはりあの香しさがブル子をも虜にさせたに違いない。"オー 罪なやつ!" 親子ともども胸がキュンとするよりは、小腹がキュルルンとさせられ、P君にメロメロにさせられた。 アディオス P君 たっしゃでなー!!! |
第26弾
今日は12月22日。スペイン人にとって大切な年に一度の大宝くじの当選発表日だ。朝からいろんなテレビ局で実況生中継をしていた。今年はムルシアの方の村で当たったようだ。当たった人々が当たり券を片手に、抱き合ったり シャンぺーンで乾杯をしたりと、喜びの表情を画面一杯に振りまいていた。国民性の違いか ここスペインでは喜びを隠さず、テレビの前でもおおはしゃぎ、これが日本だったら、一人個室でニタニタ あまり人に公言しないのではないだろうか?! 今日早速自分の口座に当たり額を入金確保した場面なんか見てると、表裏がなくていいなあと思ったりした。ママは買わないの? とブル子に言われたが、自慢じゃないがくじ運と男運には生まれつき恵まれていない。花咲か爺さんのポチのように、ブル子も年末大奉仕の幸運のお犬様と化して、"19283 当たるぞワンワン"などと吠えて、当選番号をほのめかしてくれたらいいなあと思うけれど、いびきまじりのうたた寝でよだれをたらして、平和のシンボルを全身で表すのみだ。子供の頃 テレビで飼い主の代わりに一人で買い物ができる犬が出てる番組を見た記憶があるが、ああいう犬というのは、生まれつき"働く気"があるからできるようになったのだろうか? それとも脳みその中に"買い物"というチップが埋め込まれていたのだろうか? ブル子の場合 ママの役にたとうなんていうサービス精神のかけらも持ち合わせていないようだ。ママ=飼い主=御主人様 というよりは、おばさん=お世話係=召し使い という受け止め方をしている気がする。こうなると ごはんを定時にもらえるのは当たり前 糞尿のお掃除も当たり前 気晴らしの散歩、ボール遊びのお相手も当たり前 と思っているのではないだろうか?! この際だからはっきりさせておきたいのだが、聞く耳持たず つべこべ言わずにボール遊びの相手をもっとやる気を出してしろ!などと一吠えされるのが落ちだ。現代は江戸時代じゃないし、生類哀れみの令等も制定されてないと思うのだが、なんか"人生のくじ"にはずれてしまったような、哀れな気がする。 "飼い主哀れみの令"が発足されて、立場が逆転したらいいなあと思うけど、現実は厳しい! 今年も最後までブル子お嬢様のお世話をさせていただくことになりそうだ。
どうしようもないこんなブル子だが、まあ4歳7ヶ月まで無事に育ってくれただけでも、ありがたいなあと思っている。近所にいた雄のブルドッグのオット?君は3歳で白血病で死んじゃったもの。最後の方はよたよたして、ブル子が近付いても、"おれは男だ!!"と自慢していたあの力強さはどこへ行っちゃたのという感じで、苦しそうにしっぽをふるのが精一杯だった。4回の目の手術 皮膚病 抜け毛 足の指の間の怪我 のどの痛み 等々乗り越えて 元気に生きているブル子の幸せそうな笑顔が見れるだけでも、満更悪くないなあと思えてくる。ブル子も一応我が家の"番犬"のつもりでいるみたいなので、まあ本犬の意志を尊重して、泥棒撃退の役目だけでOKということにしておこう。年末にブル子をもとにした小説でも書いてみようかな? タイトルは "存在の耐えられない重さ"かな?! |
| 第27弾
今年は結構スムーズに新年を迎えれた。年末恒例の友達の家での"年忘れパーティー"で美味しいものをたらふく食べて、ワインもガバガバ飲んで、食後のデザートの取り合いをして、無事に除夜の鐘とともに12粒のぶどうを食べ、新年を迎えたわけだ。ただ2002年は最後になってちょっとした大恥をかいた。年末にテレビで放映してた小津安次郎の"宗方姉妹"の話題からことは始まった。よく見る映画番組で立続けに日本映画を放映していたのだが、年末最後にこの"宗方姉妹"が当って、"ミス知ったかぶり"の私が説明する羽目になった。内容を知らない人のために原作は誰なのかという点から喋っていったのだが、、、、もちろん原作者は大仏二郎である。ただ読み方が悪かった。何の躊躇もなく "ダイブツジロウの作品で、、、"と言い放ったのだが、周りの反応が一瞬止まって、妙な目配せ "あ"というまま開いた口 そして爆笑の波が次に起こった。なんかしでかしたと自分でも分かったが、一体何? と晴天の霹靂に戸惑っていると、仲間のまなざしが青みがかって 軽蔑の色へ変色しているではないか! "あれはさー ダイブツじゃなくて オサナギだよ"の一声に、仲間達の首が上下した。数秒おいて、 "へへ知ってるわよ?そんなこと。ダイブツなんて読むわけないじゃない。冗談よ?!"とのたまわってみたが、そんな言い訳したって無駄 聞く耳持たず という冷たい空気が流れた。それをカバーするように? 仲間の一人が言った言葉が、また恥じらい心にグサッと刺さった。 "でもさー、、、最中(モナカ)を サイチュウって読んだ人もいたわよー"この手の一言はフォローと言うより、恥ずかしさを炭火であぶるようなものだと思った。日本人だからといって、いい年のお婆だからといって、漢字が得意だとは限らないという見本のような一駒だった。思わぬところで隠していた教養?が溢れ出てしまったわけだが、それでもどうにか暮らしていけるのだからスペインという国は実にいい国だ。
今年は小津安次郎の生誕100年に当るのも踏まえてか、スペイン版名画座でこのところ連日小津監督の作品を上映している。こんなチャンスは滅多にない、と連日見に行っている。特に大好きな"秋刀魚の味"は、笠智衆の演技が抜群で、イタ飯党の私だが急にサンマ定食が食べたくなった程だ。 昭和の一番良い時期を扱ってる感じで、懐かしさやほのぼの風味が目一杯しみ込んでいる味噌汁を飲んだ後のような気がした。こういう作品は現代ではあまり見かけられない。食いしん坊なので食べる場面が出てくると、それだけで嬉しくなり、あの時代の凝ってないシンプルなカツとか うな重等を一緒に食べてみたくなる。一緒に見ているスペイン人は何となく見ているのかも知れないが、一応日本人の私は見るだけで大体味が想像できる点、 もう一歩深く映画が見れるのかと思う。得した気分だ! 2月初めまでビシバシ見て、小津フィーバーに浸りたい。 |
| 第28弾
今年のブルジジブルババ参勤交代 バルセロナ巡礼も無事に終了した。今年は37日間と短い滞在だった上、珍しく寒くて雨の多い冬だったので、予定していたスペイン横断旅行等は、川の増水で足留めされた江戸時代の旅人のごとくそばにいながら渡れない状態で、残念無念涙を飲んだ。だがその反動で"食い意地街道"をまっしぐらに突っ走った。どこへも行けない分とにかく食べようと、毎日レストラン巡りに明け暮れた。中国 韓国 レバノン イタリア フランス スペイン ウルグアイ ぺルーと味の世界を駆け巡った。70歳を越えても胃袋は現役のようで、よくぞこれだけ食べれるものだと感心した。遺伝子的に同じ系統の食い意地DNAを持っているはずだから、私も彼等のようになるのだろうか? 80歳現役"食い意地クイーン"になれるかもしれない? ブル子は一年ぶりの再会なのに、完璧に彼等のことを覚えていて、初日からブルジジにつきっきりになり、ボール遊びの相手 糞尿のお世話係 おつまみ配給係のおじじとランク付けて、こき使っていた。ブルジジも満更嫌でもなさそうで、"しょうがないな?!"と言いながらブル子の面倒をみていた。ブル子は中国の一人っ子政策同様、家族にちやほやされ、わがまま犬になってしまった。現代の中国の若者の結婚は、このお互いのわがままさが原因で、すぐ離婚へ繋がっているという記事を読んだ。ブル子もお嫁に行っても、すぐ戻ってくる確率は高い。"世界初 出戻り犬 ブル子! 我がまま過ぎる性格が原因か?"と 犬用ゴシップ雑誌の特ダネスキャンダル記事で取り上げられるかもしれない?!?
今回のブルジジブルババ滞在中 初体験は、2月15日のイラクへの反戦デモへの参加だった。東京でも五千人規模のがあったようだが、バルセロナはなんと130万人参加の最大規模のデモだった。中心地の大通りに人がうめ尽くされて、どちらにも身動きがとれず、参加中で全体が見渡せなくても"これは凄そうだー!"と直感できた。ヨーロッパでは市民の意思表示によくデモをする。子供の頃から親に連れられて行くので、違和感なく自主的に参加するようになる。プラカードにスローガンや風刺画等を描いて持参する人も多々見受けられる。スペインも日本も政府はアメリカ側につき参戦?しようとしているが、市民の意思表示のバロメーターであるデモへの参加のこの数字の違いは、一体どういうことだろうか?5000と130万じゃ、このブル子レポートとハリーポッターシリーズの実力の差のようではないか? デモに参加すること自体日本では浸透してないかもしれないが、やはり世界の市民レベルの意思表示の基本は"デモ"である。今回のはあまりに大規模すぎてブル子を連れて行ったら サッカーボール代わりに蹴られそうなので止めておいたが、ブル子に参加意志があるなら次回は連れて行ってあげれたらと思う。体にスローガンを張り付けたり、扮装させて、ブル子の気合を表現させてあげたい。私もついでに扮装したら、カーニバルと間違えられそうなので、止めておこう。そうじゃなくても顔がカーニバル状態なのだから、、、、
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| 第29弾
4月に入って冬に戻ったように寒い日が続いている。でもこれはスペインで毎年みられるフェイント気象現象だ。12月、1月と寒い日が続き、2月、3月はぽかぽか陽気で春のふりをして、4月にまた現役復帰 "冬物よ まだタンスに入るには早すぎる?!" と言わんばかりに、雨と強風と寒気団が一気に押し寄せ、そして5月のある日突然 夏が来る。まあだいたい5月から9月が夏、それ以外は冬の変型バージョンという感じだ。週末の過ごし方も冬と夏とでは大違いで、冬は冬眠状態で屋内に潜んでいたスペイン人も、夏になった途端 さなぎが蝶になったごとく、ウヨウヨと屋外にくり出しはじめる。そうなると過ごし方のパターンも多様化して、都市型 田舎型といろいろチョイス可能となり、夏の週末はスペイン中で活気がムラムラ燃え盛る。
でも現実には冬の方が断然長い。そこでどんな過ごし方が我が家の"至福の週末"への入り口かちょっと考えてみた。まず金曜日のアパートの掃除からスタートしないと週末は掃除三昧で終わりかねない。金曜の午後 掃除機やモップでまず床掃除、その間にブル子のサパータイム、続いてブル子の気晴らし散歩にお供して、間髪入れずにブル子を"白い妖精"に還るべくシャンプー、"よく我慢できたで賞"の御褒美贈呈、ブル子マットをバスタブで踏みつけながら洗濯して、ついでに洗面所の掃除、小腹を押さえるための軽い夕食、シャワーをサッと浴びて、所要時間約4ー5時間。これでやっとブル子とベッドでの"いちゃつきモード"に入れるわけだ。ブル子は好きなおもちゃを持ち込んで遊び始める。こちらは読書。そのうち遊びに飽きたブル子の寝息がし始め、それにつられてこちらも眠気に誘われ、脳みそが活字を拒否し始めたら、親子ともども睡眠街道へ突入、恒例の"寝息いびき合戦"が始まる。米軍はイラクに大量破壊兵器化学兵器撲滅という名目で侵入したが、我が家の "寝息いびき合戦"は親子の交流を目的にしているので、なんとも平和的な合戦だ。ブル子は平面的な顔を利用して、"鼻息直吹き付け作戦"で前進。こちらも精一杯応戦するが、あの独特の鼻の向きでやられると強度も風速10メートル級で、砂漠で立ち往生させられた米軍の戦車部隊のごとくおさまるまで耐えるしかない。それに加えて耳もとで例の"いびき弾"を連発されると、もうお手上げ状態で、サダムフセイン同様ベッドを放棄逃げ出したくなる。こんな戦いが我が家では2週間ごとに繰り返されるわけだが、国連がなんと言おうと本人達が好き好んで戦いに臨んでいるので、誰にも止められない。それにしてもブル子の寝顔は本当にかわいい。新聞にグランプリに輝いた犬が、実は皺の整形手術を受けていたのではないかという疑いが取りざたされた記事が載っていたが、ブル子の場合はあの皺がチャームポイントかと思える。飼い主が賞を取りたくて自分の犬に強制的に整形手術をさせるなんて、阿呆らしい話だ。ちょっとくらいユニークな顔がなんだ!オリジナルのどこが悪い? "至福の週末"には ブル子は必要不可欠だ! 今週末も"寝息いびき合戦"が予定されているが、決して犠牲者はでない。米軍にも平和的戦術をこっそり教えてあげようかな?
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| 第30弾
ブルママ まさか私もスペインで舞台に立つなんて思ってもみませんでしたわー?!
インタビューアー しかし一体どんなきっかけで女優の道へお進みになったのですか???
ブルママ お友達の誘いですの!!
インタビューアー 今回は初々しい村の娘役ということでしたが、、、
ブルママ やはりどうしても若さと美しさは隠しようがありませんの娘役というのは当然の配役かと思います。
インタビューアー 今回の役で印象に残った台詞は?
ブルママ "殺せーっ!" でしょうか?! キリストに向かって叫ばなければいけない内容でしたので、胸が痛みました。
インタビューアー 今後の舞台のご予定は?
ブルママ 今のところまだ未定ですが、やはり内容を重視して個性を引き出せるような役に挑戦していきたいと思います。
インタビューアー 役によって脱ぐようなことは、、、、???
ブルママ 娘の立場を考えるとそう簡単に豊満な裸体を披露して良いものかと思います。まあ体には自信はあるのですが、、、
インタビューアー 最後にファンの皆さんにメッセージをお願いします。
ブルママ よくぺネロぺクルスと比較されますが、ハッキリ言ってライバルだと意識したことはございません。ただ彼女にはトムクルーズがいて、私にはブル子がいるという、まあそのくらいの違いだと思います。
インタビューアー 今後の御活躍を期待しています。ありがとうございました
と こんなインタビューが行われたかどうかは別として、イースターにエスパラゲラというバルセロナの郊外の村で、毎年開催されているキリストの復活を描いた劇に飛び入りで参加したのは事実だ。当時の簡単な衣装を着て、頭にはベールをかぶり、皮のサンダルを履いて、二千年前の村の娘の出来上がり。
他の出演者とともにキリストの言葉に頷いたり、罵倒したりして無事その日の舞台を盛り上げられた。東洋人初 日本人初の挑戦! 新しい歴史への一歩かと本人だけは思っている。バルセロナは2週間前に夏に入ったので、連夜ブル子とナイトウォークを楽しんでいるが、昨夜は友達とのオープンカフェでのおしゃべりに初めて一緒に連れて行った。1時間半の間リンゴを食べて水を飲んで悪さもせずジッと我慢している姿に、母親として誇らしいものを感じた程だ。ブル子ももうすぐ5歳、大人になったものだ! これから先どんなオファーが来て、ブルママか女優かという究極の選択が待っているかも知れないことを、ブル子はまだ知らない。 知らぬがブル子! ケ セラ セラ なるようになる。まずは夏のブル子とのいちゃつきナイトウォークを堪能してからだ。
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| 第31弾
5月25日 ついにブル子も5歳になった。ブルドッグのような純粋な種類の犬は、普通の犬の3分の2くらいで寿命が来ると言われているが、ブル子も犬生のターニングポイントを通過したわけだ。5年!長いようで、実はあっと言う間に過ぎた。やはりここはひとまず お祝せねばー!っと、一発奮起してお嬢様誕生日会を盛大に開いた。 10人ちょっとの友達が詰め掛けて、エスニック料理を堪能、ブル子も初めて多人数の人に囲まれて大はしゃぎ。 まあこの際だからブル子にちなんだ料理を、何品か用意しようと思い立った。犬の骨型のクッキー型があるので、味付け御飯をこの型でくり抜いてみた。まあアイディア賞というところだった。他にはハンバーグを一口で食べれるようにブル子のうんちサイズに丸めてみた。 名付けて"うんちバーグ" この手のつまみは匂いが肝心?というわけで、コリアンダーのエキゾティックな香りを効かせてみた。見た目 匂い共に美的感覚に溢れ、胃袋への通路を全開にさせた。ブル子はお祝品のティアラを頭につけ、犬用つまみを頬張り、皆に遊んでもらえて、しばし 愛子様かブル子様かと言う感じで、超お姫様ムードに浸っていた。誕生会の数日前に親の目を盗んでバクバク食い散らかした、ラナンキュラスという毒素たっぷりの花のせいで、全身に出ていたアレルギー反応も式当日までにはどうにか治まった。いくつになっても目が離せないなあという印象で臨んだ誕生会だったが、思い出になる記念品を持って帰ってもらおうと、子供時代から今までのブル子の印象的なスナップ写真の組み合わせのコピーを配った。親ばかだというのは百も承知だが、何かせずには いられなかった。とにかく目出たし目出たしという感じで無事終了できた。
誕生会で暴れなかったわけだから、、、ブル子もついに大人の仲間入り?! よーし これからはどんどんパーティーを開くぞー! と調子に乗って、2週間後に少人数の友達を呼んでパスタパーティーを開いた。が、、暑い夏の夜のブル子の"能天気おはしゃぎモード"を理解できない友達は、サンダルを振り回され歯形をつけられ、逆に"超怒りモード"にどっぷり浸かってしまった。一度そういう険悪ムードがアパート中に漂うと、七輪で焼いた秋刀魚の匂い同様、そう簡単には一掃できず "楽しい宴ムード"は何処へと? という雰囲気になり、6時間もかけて大掃除をした苦労も、わざわざ美味しいゴルゴンゾーラチーズのためだけにバスを乗り継いで買いに行った苦労も、ああ空しい水の泡儚い夏の夢と化してしまった。やはりまだブル子同伴の自宅ミニパーティーというのは、不可能なのだろうか? 以前少人数のお食事会を開いた時、ブル子を別室に閉じ込めておいたことがある。3時間泣き続けて、おまけに、、、本棚から勝手に雑誌を引き出し、 こともあろうにわざとその雑誌の上に、おしっこをひっかけるという技まで披露されたことがあるので、密室に閉じ込めておくわけにもいかない。ベビーシッターを雇わなきゃダメかしら?
犬用のベビーシッターなど存在するのか知らないけれど、とりあえずイエローページで調べてみよう! 犬欄にあるのかな? 子守り欄にあるのかな? |
| 第32弾
今年 スペインでは猛暑の嵐が吹き荒れている。先日天気予報を見ていたら、バルセロナから電車で1時間のところにあるタラゴナという町で、気温44度湿度85%と言っていた。ただ暑いだけじゃない、一般家庭にはクーラーはない。つまり自力で耐えるしかないわけだ。いくら夏を待ち望んでいたスペイン人でも、我慢できる暑さには限界がある。今年は6月にすでに猛暑の域に入ったので、バルセロナの週末の日中は、ツーリストがうごめく地域以外は、ゴーストタウンと化していた。夜10時を過ぎると陽も陰り、暑さも少し和らぐ。当然市民は夜の町へ昼間の鬱憤をはらすべく、繰り出し始める。始まりが遅いなら終わりも遅くなる。宴の終了マークが点滅するのが夜中の3時4時は当たり前。もちろん明け方お開きのパターンも多々ある。
こう暑いと犬もかなわないらしく、昼に散歩に連れ出されているのを見かけると、いかにも苦しそうで "勘弁してよ"という顔つきをしている。犬の足の裏はけっこう柔らかいので、アスファルトに直に触れると、地表の熱が足の裏をフライパンで焼くかのごとく 直火効果を発し、 焦げ目がつく可能性もあるのでは? と人んちの犬のことながら心配になる。 犬用サンダルでも売り出したら、もう少しこの問題も改善できるのかも知れない?!
先日ブル子と朝の散歩に久々に出てみた。暑さの段階で言うと"中"という感じだったので、出だしは好調だった。が、、、観光客のよく通るショッピング街に差し掛かった辺りで、ブル子の暑さの沸騰点がやってきたようで、2m歩いては大理石の上にうつぶせになり、 声援を送っても力づくで引っ張ても、"ブル子もうダメー!"という感じで、5分ずつの休みをとるという有り様だった。通りすがりの観光客にはブル子の"もう動けません状態"が印象的だったらしく、笑いを含んだ視線が太陽光線に混じって私ら哀れな親子に注がれた。途中で水も飲んだし、西瓜も食べたのに、、、動かなくなると単に重たい犬のぬいぐるみと化して、親のなす術もなかった。この"365歩のマーチ"の歌詞のような 2m進んで5分休む!というパターンの繰り返しで、普通なら40分くらいで回れるコースなのに、100分位かかった。帰宅後は親子共々疲れ果て2時間半も昼寝をするはめになり、やはり暑い日中の散歩は無理だと悟った。日中がダメなら夜があるさ!と、月夜に屋上テラスへブル子と満月鑑賞しに上ってみた。周りにネオンがないせいか、こんなに強く輝くのだなあと感心するほど月の光がテラス一面を照らし、壁にもたれて満月見物をしている母の前で、ブル子も大人しくお座りして夜のナイトムーンショーを楽しんだ。ブル子の姿が月の光の中に浮かび上がる中 背中を撫でてあげながら、"あの暑い夏の夜にブル子とテラスでお月見したなあ"と、いつかはこの日の事を懐かしむ日が来るんだろうなあと思うと、涙がチョチョぎれそうになった。3時間のお月見も終わり、エレベーターに乗った途端 ブル子が大量のおしっこを放った。急に現実に引き戻されて、軽快な驚きが夜のエレベーター内に満ちた。ブル子は必ず妙なオチで締めくくる。これがブル子流なのだろう。あっぱれ! |
| 第33弾
通りでいきなり男に腕を掴まれた。まあハンサムな男だったからしょうがないなと思ったが、目を見つめられて腕を掴まれるなんていうのは、やはり美しさの為せる技なのだろうか? 予期せぬことが起きる時には当然良いパターンと悪いパターンがある。今回のは勿論良いパターンの方だったが、8月に起きたエアコン事件は最悪のパターンだった。ニュースでも何度も取り上げられた今年の猛暑は半端な暑さではなかった。スペインの一般家庭には普通エアコンはない。我が家も勿論ない。例年はそれでしのげたが、今年は3ヶ月間体温より高い気温が続き、さすがのブル親子もバテ気味になった。いきなり8月1日に下のパン屋が吹き抜け部分に大きな業務用のエアコンを取り付けた。翌日鍵をかけておかないと自然とドアや窓が開いてしまう程の熱風が下から吹き上げ、壁は熱せられて熱く、洗濯物は乾燥機に四六時中かけられた状態になりあっという間に乾いた。すぐに文句を言いに行ったら、"店長は今日からバカンスに出かけ連絡が取れない"との解答+従業員は肩をすくめてそれで終わり。連日脳みそが煮えたぎるような日々が続いた。同じ建物の住人はバカンス中で85%留守。訴えようにも相手が居ず、窓やドアを閉め切り熱風が侵入するのを塞いだのだが、耐えられないほど暑い。スイカをドヒャドヒャ食べ、アイスコーヒーをガバガバ飲み、冷水シャワーを何度も浴びたが、効果はゼロに等しかった。朝は図書館に避難したが、午後は家にいるしかない。市の苦情センターへ行ったら、業務用のエアコン等取り付ける際は、事前に住人全員がサインをした申請書を市に提出して、市の調査員の検査に合格しないと取り付けられないことが分かった。もちろんパン屋のおやじはそんな手続きはしていない。取ってあるのは、"パンを焼く"という許可だけだ。 3週間待っても何の解答もない。怒りは炎を呼び、髪の毛がチリチリ焦げるほどに達した。"許してはおけぬ!"と居残り住人を結集させて、パン屋へ抗議の殴り込みに行った。"警察を呼ぶぞ!" の一言に従業員もたじろぎ始め、これがどれほど緊迫した自体かが分かったようだ。翌日とりあえずエアコンは止まった。結局9月の緊急会議で屋上に取り付けなおさせることに決定した。でもパン屋のおやじは緊急会議にも出席せず、パンの詰め合わせはおろかお詫びの一言も言ってよこさない。典型的なスペインの無責任パターンだ。軽く見積もってもこの怒りはクロワッサン一年分くらいには相当するはずだ。ブル子は歩道に大発生したノミと暑さのせいで2ヶ月ほど散歩に出してもらえず、運動不足で小豚化してしまった。遊びに来た友達もブル子の肥え具合には微笑まざるを得なかった
例の私の腕を掴んだ男だが、各地に自分の店を持っていて、新装開店の顔出しに来ていて、ちょうど店から出て移動するところだったらしい。余りのハンサムぶりにビックラして金縛り状態で動けない私の目をジッと見つめて、腕と手を掴んで握手をして立ち去っていった。ブルママ興奮のるつぼにどっぷりはまり、その後訪問先のオフィースで歓喜の踊りを披露。だってその男はデザイナのアルマー二氏だったんだもの。当然だ! たまには"いきなり"も良いものだ。
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| 第34弾
ついにスペインのフェリッペ王子の結婚相手が決まった。国営テレビのニュースキャスターでありジャーナリストの31歳の女性だ。今まで色々騒がれた女性は多かったけれど、今回は全くパパラッチにも追跡されず、突然発表だったので、今日は一日中その話題で持ち切りだった。スペイン女性には珍しく聡明でエレガント、品も良くおまけにかなりの美人。そんな彼女の唯一の汚点は1年間だけだが大学教授との結婚歴があることだ。街頭インタビューで、ほとんどの人が "おめでとう" と言っている中で、"バツイチはねー?"という意見のおババもいた。宗教上ちょっと問題になるかも知れないけれど、王子のラブパワーではね除けてほしいものだ。以前王子の彼女で結婚が騒がれた北欧のモデル エヴァの時には、たいがいの場合において肯定的な反応を示すスペイン人らしく、"王子が好きなら良いんじゃない"という意見も結構あったが、市民の本心は?だった。 "エヴァは王子の相手に相応しいか?"というテレビ番組まで組まれたが、横やりが入り中止になったという記憶がある。今回は市民が口々に王子の相手が"スペイン人で良かった!"と言っているので、 やはり内心わけもわからぬ国のただきれいというだけのモデルに、王女の座についてほしくなかったとういうのが実情だったようだ。来春マドリッドのカテドラルで挙式が行われるらしい。このニュースが活気ムンムンのスペインの年末のお祭りムードに、益々おはしゃぎのスパイスを与えるのは確かだ。それにしても、、やはり美人は得だ。スペインのニュースキャスターは、美人揃いだが、それは出たての頃だけで、数年立つとこんなに老けるものかとビックラするほどおババ化してしまう。化粧も濃くなり声もしゃがれ始め、"花の命は短くて"を実践している。近年女性もジムで体を鍛えるようになり、少しは体や顔の手入れをするようになったが、それでも日本に比べるとケアーのレベルは低く、20歳台の中頃に婆化の下り坂を転げ始める。 ヨーロッパの国々の中で最も頻繁にヘアーカラーを変えるスペイン女性だが、美容クリームはもとより化粧水さえつけない人を多々見かける。それにまゆ毛が濃くて一本につながって見えようと、口ひげが濃くて目立とうと、腕の毛がブラッシングした方が良いんじゃないとアドバイスしたくなるほど密に生えていようとかまわないくせ、足のすね毛だけはほとんどの女性がきれいに剃っている。爪のマニキュアも、手の方は年中 夏は足の方も塗る女性が多いが、剥がれていようと別段気にしている様子もない。スペイン特有のなんか妙な美容意識の偏りがあるのは確かだ。
犬の美容などあるのか知らないが、体の引き締めと気分転換のためのボール遊びと散歩、2週間に1回のシャンプー、散歩の後の濡れタオルでの汚れの拭き取り、毎日のお尻と指の間の洗浄、日に何回かのマッサージ、羊肉と米配合の高級ドッグフードとおやつのリンゴ まあブル子の美容はこんなところか?
スペイン王室参入を密かに狙っていただけに今回の婚約発表は残念だった。が、、まだモナコの王子のお相手は決まっていない。最後の望みを託してみようかな? ママも美容に力を入れなきゃ。美容の秋になりそう?!? |
| 第35弾
先日レアルマドリッド対バルサの試合がバルセロナで行われた。日本でいうと野球の巨人阪神戦のようなものだが、宿命のライバルチームが対戦するという事以上に、今回はべッカム移籍後初対戦だったので、サッカーファンでなくても注目した一戦だった。どうにか入場券が手に入らないかときいてみたが、もうすでに完売で、テレビで観戦するほかなかった。12月6日当日 試合時間間際には、通りを走る車はチラチラ程度、ひとっこ一人歩いていないゴーストタウンと化していた。べッカムが来てから、レアルはジャニーズ化して選手はほとんど芸能人扱いとなり、今まで以上にレポーターに追われている。べッカムなどは奥さんと どこのレストランで何を食べたかまで報道されて、気の毒だなあと思うけれど、奥さんも元スパイスガールズのメンバーということで、彼等の行動に興味を抱く人が沢山いるのだから仕方がない。通常はサッカーの試合など全く見ない私でさえ、今回の試合はちょっと目の保養に見ておこうなどと思い付く始末だった。バルセロナに住んでいながら、実はロナウドのファンなので、必然的にレアルびいきで見た。 単にロナウドの前歯の隙間が好きなのだが、、、、、試合が始まってゴールチャンスがあったりすると、"行けっ!"などと雄叫びを上げ、興奮のるつぼにある母と共に、ブル子も意味不明でも とりあえずいっしょになって飛び跳ねていた。バルサの防御も結構なもので、なかなか点には結びつかなかった。それでも相手のすきをみて、レアルが2点入れた。 1点入った状態で少しは安心できたが、興奮は最後まで続いた。子供の頃ブルジジがたまに早く帰宅すると、今日はまたボクシングの試合かな?と予想したが、案の定タイトルマッチだったりして、試合中に打ち合うのを見ていて、自分の身体も前後左右に試合中ずっと揺れているブルジジの姿を見て、よくあれだけテレビ中継に集中できるものだと感心していたが、今回の試合経過中 ブル子の目には、妙に揺れ動く不思議な母の姿が映ってたに違いない。最後にバルサも意地で追い上げの1点を入れたが、目出たくレアルが勝った。もし入場券が手に入り、スタジアムで観戦してたなら、 周りを囲むバルサファンの中で、派手にレアルの応援もできなかったに違いない。まあ自宅で見て正解だったのだろう。母が興奮しているだけで、自分も何となくおはしゃぎしなくちゃならなかったブル子にとっては、訳のわからない2時間だったのだろうが、私にとっては折角見るチャンスに恵まれていながら、ほとんど見たことがないサッカーの試合を楽しめて、2003年の良い思い出になったことは確かだ。それにしても、あの試合を見てロベルト カルロスになりたいと思った女性が山ほどいるに違いない。 試合終了後 べッカムに抱きつかれて、跳ね回れるなんて事はそうそうあることじゃない。べッカムの笑顔とロナウドの歯の隙間。どっちを選ぶかと聴かれたら、ちょっと迷ってしまう大晦日だ。 "あはーっ!?"
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| 第36弾
スペインではサンタクロースの代わりに、東方の三博士がプレゼントをくれる習慣がある。1月5日の夕方にバルセロナ港に船で辿り着いた博士達は、他のパレードのメンバーと共に、パレード用のワゴン車に乗って、市内の決められたルートを子供達の期待に答えながら練り進む。まずはいろんな団体のワゴン車が長々と続き、その中に乗り込んだ連中が、沿道を埋めている市民に飴を投げてふるまう。市民達はごった返しながら老若男女をとわず、その道にばらまかれた飴を必死になって拾う。毎年参加してる人は、ちゃんと大量に拾えた時を想定して、袋なんかも持参してくる。延々とこのパレードが続くのだが、ほぼ終わりかけたところで例の三博士のワゴン車がやってくる。手紙に欲しいものを書いた子供達がそのワゴン車に近寄り、手紙を直に博士達に渡そうとする姿はなんとも無垢な感じがする。それに比べて、たかが飴を拾うのに血眼になって奪い合う大人の姿は、"人生の垢にまみれるとああなるのだ!"という見本のようだ。博士達のワゴン車が通り過ぎて、これでおしまいか?と思っていると、最後に炭を満載したトラックがやってくる。これは去年一年間悪い事ばかりした子は、罰としてプレゼントではなく、炭しかもらえないんだよ!という印で、お菓子屋なんかにこの炭をまねて作られた砂糖菓子が、見せしめのごとく売られている。パレードを見物して、翌日の6日はプレゼントデー。家族中がプレゼントをあげあうので、もうそれは一年に一度の最大のお祭りの目玉となる。親戚の人々が見守る中でプレゼントを開ける習慣なので、あんまり安物をプレゼントすると冷ややかな視線を浴びるので、奮発してやや高級感の漂うものをプレゼントせざるを得ないという話を聞いた。この時期のスペイン全体の出費は相当なものだろう。クリスマスシーズンの特別な飲食料代 パーティー代 プレゼント代 宝くじ代。そしてそれに追い討ちを駆けるように1月7日から全国的に始まる大バーゲン。スペイン唯一のデパートのバーゲンの開幕にここ数年間必ず一番乗りする女性達がいて、今回のバーゲンの狙い目等についてニュースのインタビューに答えていた。数年前からの彼女達の入場の際のビデオも放映されて、こんな話題がニュースに取り上げられるのだから、
"おめでたい国だなあ"という印象がどうしても私の中には残ってしまう。先日友達が、彼がクリスマスにプレゼントしてくれたセーターのサイズが合わなかったので取り替えに行ったら、同じデザインの理想のサイズのセーターは売り切れで、同額の物と取り替えたら、セーター1枚、ブラウス2枚に交換できたと言って喜んでいた。正規の値段とバーゲン時の値段に、随分差があったのだろう。今年のバーゲンはいきなり50%オフから始まった。普通ラテンの国ではネチネチと20ー30%オフ位から始まって、徐々に割引率を上げていくのだが、多分近年似たようなファッションが流行したので、消費者がもうすでに似通った物を持っていて買い足す必要がなかったのと、ユーロになってからの異様な物価上昇に、経済的についていけない人多々いるのと、景気の低迷し始めの買い控えが重なって在庫がさばけず、困った店側がいきなり半額にしたのでは?と推測できる。もうすぐこのバーゲンシーズンも、終わりを告げるのだが、今年は未だに在庫がさばけていないようだ。そういう時こそブルママのの出番なのでありまする。
人それぞれに生まれつき持っている"運"というのがあるけれど、私の場合はバーゲン運だ。バーゲンシーズンも半ばを過ぎて、店側が売らなきゃならない窮地に陥った頃に、何気なくウインドウショッピングなどすると"私を買って!"と言わんばかりのグッドタイミングで、好みの服等が飾られていて、別に買う気はないけれど試着でもしてみるか?!と試してみると、シンデレラのガラスの靴と同様、私にピッタリのサイズ、ピッタリのデザイン、ピッタリの値段、三拍子揃って私の来店を待っていたみたいで、"これでも買わない気?"と耳打ちされそうなほど、買わざるを得ない条件が揃ってしまうと気の弱い私はバーゲン運の力に押されて、小額の札束をついつい差し出してしまう。先日のドレスなどは、定価420ユーロ レースの上に満遍なくビーズを施したドレスをなんと99ユーロで買えた。買ったと言うよりは低価格で落札した感じだ。 お店の人も"これは運命的な買い物です!"等と言っていた。この調子でたいがい60ー75%オフで、買えるチャンスが巡ってくる。でも、、、この間 はたっと考えた。特に私にバーゲン運があるのではなく、普通の人が好まないタイプの物が好みだから、最後の最後まで売れ残っているのではないだろうか?と。 以前アイビールックが流行った頃、皆と同じようなブティックの 同じようなブレザー、ワイシャツ、リボン、スカート、靴、バッグを揃えて、万人が似合うはずの組み合わせを着たのに、 何故か自分だけ似合わず ういてしまった経験がある。別に顔も個性的じゃないし、勿論美形じゃないし、体つきも並のババ体型だし、理由はわからないのだが、、、まあバーゲン運があるかどうかは別として、とりあえず好みの物が安く買えるのだから、良いということにしておこうか?!
先日行きつけの犬屋でブルドッグの生後3週間の赤ちゃんを見せてもらった。信じられない可愛さに思わず涙がチョチョぎれてしまい、お店の人もブルドッグの赤ちゃんを見ただけで涙ぐむ人などに出会ったことがなかったらしく、ビックリしていた。でも私にとってあの可愛さは、言葉に表現できないほど感動的なものだった。うちのブル子もあんなに小さかった時期があるのだなあと思うと、親心が微妙にうずく感じ。数年前からバルセロナではブルドッグブームのようで、散歩しているブルをよく見かける。思わず近付いて撫でたり話し掛けたりするが、自然とうちのブル子と比較してしまう。体つきとか 美形さとか 手入れの行き届き具合とか、、、ブル子のようにおはしゃぎブルもたまには居るけれど、大概はのんびりブルだ。まあブル子の場合、この性格で この体型で この顔だからブル子なのだと思う。親子揃って良く言えば個性的。悪く言えばくせが強いはみ出し者 というところだろう。バーゲンもさる事ながら、ブル子に巡り合えたわけだから、犬運も良いのかも知れない? お買得ドレスとブル子に囲まれて、笑いが止まらない。これも"運"の為せる技か?誰かこの笑いを止めてちょうだい!?
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第37弾
例年同様渡り鳥のように、ブルジジ ブルババがバルセロナに戻ってきた。着いた初っぱなからイースター4連休に当たったので、連日来る度に行く必須名所へ出没して、スペインとは思えない貴重な静けさの中で4連休を満喫している。キリストが張り付けにされた金曜日、ブルファミリーもパエリアを求めて、苦難の道を選んだ。通常海辺へは、なんらかの交通手段を使うのだが、今回はブル子も連れて行ってみよう!ということになり、十字架ならぬブル子の手綱+ブルジジババの手を引いて、海辺までの長い散歩に挑んだ。自分の縄張りを過ぎた辺りで、ブル子のしつこい匂い嗅ぎパターンが終わって、予想以上のハイペースで進めて、なんと1時間15分で難無く海辺のレストランへ辿り着けた。だが、、、目標のオープンレストランのバルコニー部分が、まだまだ冷たい4月の風を遮るために、ビニールシートで全部覆われているではないか! 困った!これではブル子を同伴できないのでは?と一瞬たじろいだが、昼飯タイムに入る直前だったので、まだ客がまばらだったのをいいことに、他の客やウエイターから唯一の死角となる隅の席を素早く確保して、ブル子をビニールシートのつなぎ目から密かに中に入れて、テーブルの下に隠した。ブル子は初めてのアドベンチャーにもかかわらず、 テーブルの下で用意していったリンゴを食べたら、その後は絵に書いたように大人しくなり、ジッと皆の食事が終わるまで吠えることもなく、粗相をすることもなく待てて、どうにか無事に"パエリアを堪能する"という目的を達成できた。 後はのんびり写真等撮りながら帰路に着いたのだが、途中で寄った植物公園でのティータイムでも、大人しく待っていれて、この日ほどブル子の成長を目の当たりにできて、親として我娘を誇りに思えたことはなかった。あのブル子がねー?と言われそうだが、、、、、
5月後半まで続くブルジジババの滞在は、毎日鞭をふられて十字架を背負って歩くようなことになるのか? まだ予想はつかないけれど、ブル子にとっては、遊び担当のブルジジが居てくれることは、甘い飴の山をなめ続けれるようなものだろう?!飴と鞭の妙なバランスが、今このアパートに満ちている。
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| 第38弾
今日はブル子の6歳の誕生日。平日に当たったので、去年のような特別なイベントを企画しなかったが、夏にプレゼントされた白いレース付きのフリフリをつけて、繁華街を練り歩いた。
ブル子の個性的な顔と可愛いフリフリの妙なアンバランスのためか、けっこう人目を引いたようだ。ブル子も心持鼻高々にしゃなりしゃなりと歩いていた。ブル子のあのぺちゃんこの鼻が高々になるのだから奇跡だ。ブルジジブルババの一ヶ月半の"恒例 年金型きまぐれ滞在"が終わりかけた頃から、急にフェリッペ皇太子の結婚の話題が、忘れた頃にやってきた休火山の大噴火のごとく、マスコミで騒ぎ始められた。皇太子のお相手は両親も離婚 本人もバツイチの人気テレビキャスター。以前外人モデルと交際中にマスコミに冷たい仕打ちを受けた皇太子は、今回はしくじるまいと綿密な計算をたてて準備したので、交際していること自体全くマスコミに悟られなかった。まずは王室の切り札をふりかざして、彼女をゴールデンタイムのニュースに起用するように指示。自然とお茶の間の人気者に仕立てておいて、去年の11月お妃候補の意味ありげな情報が流された当日、お相手はニュース番組を降番。翌日 王室側から皇太子の婚約の情報がマスコミにファクスで流され、5日後には二人揃っての公式記者会見。音楽会やスキーで、中むつまじくするのが報道されたが、3月のマドリッドでの同時列車爆発事件の影響で、何となく暗いムードがスペイン全体に流れ、お祭りムードには程遠かったせいもあり、他にこれと言う報道もないまま数カ月が経ち、秒読み段階になって急に各テレビ局もスポットライトをあて始め"我らがフェリッペの結婚!"という雰囲気がやっと盛り上げられていった。5月22日当日、雨などほとんど降らない5月のスペインには珍しく、結婚式が執り行なわれるマドリッド周辺のみが雨雲に覆われ、何だが嫌な予感が漂った。招待客 王族のメンバーの入場が終わり、さあついに花嫁入場という時になって、パラパラ程度だった雨脚が、いきなり集中豪雨に早変わり。本来なら長い毛氈のバージンロードを、教会の入り口までにこやかに歩むはずだったのだが、車は教会入り口まで直接乗り入れられ、参道で見守る民衆は厳しいチェックをくぐり抜け、何時間も前から見物場所を確保していたのに、大雨に打たれ、花嫁は一瞬で通り過ぎ、忍耐にも程がある数時間を送ったに違いない。教会での式は予定通り進行したが、司教が手ですくって手渡す一山のコインの一枚が皇太子の手に収まる前に外れてしまい、どうにか床に落下するのは免れたものの、あわやという感じだった。式が終わり新郎新婦が教会を出る時もまだ雨が降っていて、パレードの途中あたりで止んだのだが、次の会場でも敷き詰められてた毛氈は、歩く度にジューシーなサバランケーキのように水がしみ出し、裾持ちの2人の娘は長いウエディングドレスの裾が濡れないように、裾を思いっきり持ち上げているので、絶えずめくれ上がったドレスの裾と共に写真に写っていた。笑顔がいっぱいの1週間前のデンマークの皇太子の結婚式とは打って変わって、今回のフェリッペ皇太子の式はスペインらしいおはしゃぎのない、真面目すぎる式という印象が残った。出端をくじかれた新婦の、あまりに真剣すぎる表情のせいだったのかも知れない。兎に角無事に式は終わった。式の当日国民の半数以上がテレビに釘付けだったと翌日のニュースで言っていたが、各局のトーク番組で、出席者の衣装がどうだったとか、新婦の入場の時のみ降った集中豪雨は、悪い徴候なのでは?とか、テレビをつける度にコメンテーターが視聴者にまで唾が飛んでくるのでは?と思えるほどの興奮ぶりで発言しあっていた。どこかの国のプリンスのパターンとは違って、フェリッペ皇太子のお妃の座を目指していた女性は、くじ引きのはずれくじのごとく、たくさんいたに違いない。何を隠そうブルママも子連れの身ながら、スペイン王室進出を密かに企んでいたのでありまする。こういう女性達のねたみ+ひがみがあの日集まって、花嫁入場の際の強力な雨雲を呼び寄せたのでは??? 万が一 ブルママとフェリッペ皇太子が結婚していたなら、ブル子だって正式な王室犬になるわけで、今日の誕生日なんかもロエベの皮製フリフリなんかを付けさせられていたかもしれないし、純金製のベッド ダイヤをちりばめた首輪 フォアグラ入りの特注ドッグフード等も用意されていたかもしれない。、、、ということは、ブル子もチャンスを逃したということ? ごめんあそばせっ!? |
| 第39弾
"あーこれが例の脂汗か?!" トイレで唸りながらも、一瞬 経験者達が言っていた言葉が脳裏をよぎった。毎夏 紙面を賑わす恒例サルモネラ菌系食中毒に、初めてかかった。お土産にいただいたお米を使った和菓子が原因のようだ。見た目にも臭いの点でも全く"普通"だったのだが、、、、食べて2時間後に行った映画館で妙な気分の悪さが始まった。まずは嘔吐。それからゲイリー。お次は脂汗。最後に悪寒。映画館のトイレに立てこもって、3時間 孤独なバトルに挑んだ。複合映画館のトイレは各映写室内に設置されているので、ラジオを聴くように、耳からは映画の音響は聞こえるが、誰にも助けを求められない。兎に角症状がおさまるまでは、耐えるしかない。数十メートルは使用したであろうトイレットペーパーを握りしめ、全身に脂汗をかき、体を軟体動物のように揺れ動かしながら、七転八倒の3時間が過ぎた。後は どうにか家まで辿り着かなければならない。顔色はこんな色に変わるものかと感心するほど青黒い。それに普通に歩けば13分位の距離だが、どこでまたゲイリーのピーヒャラ音頭が始まり出すかわからない。手先は完全に血が巡ってないらしく硬直している。ブルママ 大ピンチ!ここで白馬に乗った王子様が、助けに来てくれたなら良いのだろうけれど、こんな青黒い顔を見たら、王子様だって見て見ぬふりをして去って行っちゃうに違いない。やっぱり自力しかないか!? 恐る恐る亀の如く歩いて、25分位で家に戻れた。"まずは悪寒をどうにかせねば!"というわけでお風呂に入り、末端血管まで血を巡らせた。それから緑茶と"ういろう(生薬)"を飲み、万全の治療にあたった。ブル子も心配そうな顔で見ている。このまま餌をもらえないのでは?という懸念の心配なのか、親の動作から異変を感じての心配なのかは、疑問だったが、、、、その後ベッドに直行。翌日も中華を食べに行こうという友達の美味しいお誘いにものれず、完璧に回復するのに2日間かかった。なんという苦しい夏のイベントだったことか!?
そういえば、、、ブル子もゲイリーになったことがある。ある日あまりに悪さをするので、一日中無視して言葉をかけなかった。ブル子のようなおはしゃぎドッグには、無視されるのが一番こたえたようで、何故かゲイリーに。ああ見えても結構ナイーブみたいだ。不憫に思った母が優しく声をかけると、時代劇の親子の再会パターンのように、急に寄り添って全身をこすりつけてきた。"ママ ブル子ちゃんを忘れないでね!"とでも言いたげな上目使い。3倍速で振られる尻尾。空になった胃袋から聞こえる腹ぺこサウンド"キュルルン"。 そして定時のお食事タイム。 ゲイリーの直後でも衰える事のない餌への執着心は、"あっぱれ!"の一言に尽きるものだった。
実は今回の食中毒で思わぬ効用が待っていた。2日間で2キロの減量に成功!? 三段腹もすっきりして、気分も爽快。 これで若者に混じって"へそだしルック"に挑戦できる。体重の気になる人は、ぜひサルモネラ菌付き和菓子などを召し上がって、お手軽ダイエットを試してみてはいかがでしょうか?? 脂汗がドバドバ流れて、一晩でスリムな体に変身。苦しいのはたった3時間だけです???
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| 第40弾
誰が決めたか知らないけれど、四年に一度のオリンピックイヤーがまたまた巡って来た。開催当日までは"興味の種"を蒔き忘れたように、オリンピックの"オ"の字も念頭になかったので、全く期待もせずに開会式を見始めた。ところが正直いってものすごくビックリした。勿論良い意味での驚きだ。ヨーロッパの中で絶えずスペイン ポルトガルと後進性を争うあの国が、あれだけ素晴らしい演出を披露できるとは、、、、歴史の重みか?はたまた秘めた芸術性か?という感じで、夏のバルセロナでガリバー旅行記のように、テレビに釘付けになった。何といっても良かったのは、"宙づり"で空間を上手く利用した点だろう。海のイメージの水の演出+炎の五輪。空間に浮くオブジェが、彫刻 解体 島々へと変化。宙を移動する人間の動き+ DNAのごときレーザー光線の抜群の配置。会場いっぱいに滑り動く古代からの歴史のパフォーマンス。そしてSF映画をリアルにさせたような聖火の点火。兎に角魂消た ゲタゲタだった。それにオリンピック実行委員長のオバ様の、ギリシャヨーグルトを毎日食べると備わるのであろう度胸抜群のスピーチ。あの開会式を見て、一度はギリシャへ行ってみたいと、画面に向かって頷いた人は、たくさんいたに違いない。 こういう開会式は、国のイメージアップに繋がるのだろうが、以前冬に開催された長野オリンピックの開会式は、日本のイメージの短い足を引っ張るだけ引っ張ったという記憶がある。雛人形の出来損ないのような妙な出で立ちや、寒い中を裸で四股を踏むだけの相撲力士の芸の無いパフォーマンスにも呆れたが、何といっても最低だったのは、司会者の人選だろう。翌日 スペイン人の友達がほぼ全員 "あの司会者は抜けているの?"と質問してきた。返事に困ったのは、日本人の私だ。日本人にとっては馴染みの漫才師かもしれないが、外人から見れば、ちょっとねじの緩んだ人のように見えちゃったのだろう?!ユーモアに溢れ、国の特徴をアピールし、かつオリジナルな開会式を行うのは、そりゃ大変なのだろうけれど、そう滅多にあるチャンスじゃないわけだから、絹じゃなくてもせめて木綿で濾し固めたような豆腐の如き、見た目も味もすっきりしていて栄養価もありアレンジしやすい、そんな体に良い開会式を企画してほしかった。
ブル子は朝夕のボール遊びで、抜群の筋肉を保持しているのだが、夏の暑さはさすがのブル子にも応えるらしい。朝8時にスタートした楽しい海までの散歩の予定が、、、、行きは、すこブル快調。 だが帰りは、、、大理石の上に全身伸び切り、生きた毛皮の敷物と化した"のしブル"を持て余す母の姿を、奇しくもスペイン人に披露するはめとなった。そんなに暑いなら毛皮を脱げば良いのにと思うのだが、そう簡単に脱がせるわけにもいかない。せめて夏用冬用ワンタッチ着用できる犬用毛皮があれば良いのだけれど、、、、晩に洗えば翌朝にはきれいに乾いて、超面倒なシャンプーの手間もなくなるし、好きな色にカラーリングだってできる。まだ誰も開発してないけれど、ノーベル動物賞も夢ではない発明だと思うのだが、、、
ブルママがこんなくだらない事を考えている間にも、男子体操の選手たちは、28年ぶりに金メダルを獲得して、国中に自信の回復と感動を与えているのだ。 くだらない戯言を考えている時間があるなら、せめてブル子に塚原飛びでもマスターさせて、前代未聞の宙返り犬として、"ワン二ャンオリンピックで金メダルを取らせる!"といった、もっと現実的?な事を考えるべきだろう。 今日から本格的にトレーニングをスタートさせようかな? |
| 第41弾
"今回はカサだね!" 行きつけのキオスクのおじさんが、釣り銭を渡す時目敏く指摘した。おまけ次第で雑誌を買うのを知っているからだ。スペインでは、女性向けの雑誌が日本ほどではないにしろ、けっこう売られている。ファッション関係の記事が多く載っているのは、ざっと数えても8種類位はすぐ頭に浮かぶ。ヴォーグ、コスモポリタン、マリークレール等の、日本でもお馴染みの雑誌もある。日本と違うのは、ほとんどの雑誌に、毎月何らかのおまけが付いて来ることだ。ミニバッグ、折り畳みの帽子、草履、スカーフ、サングラス等々。インテリアやファッション特集の雑誌がおまけに付くことも多々ある。値段はおまけ込みで500円程度(勿論おまけがいらないからといって値引きされるわけではない)。気合いの入ったおまけが付く月は、雑誌自体の内容が"読むには及ばずランク"になる。私の記憶では、去年までコスモポリタンには、実力勝負という意地からか、唯一おまけが付いてなかった。おまけ無しで購買力を見込めるほど、並外れて優れた内容というわけでもなかったから、必然的におまけ競争に参加せざるを得なかったようだ。今回買った"Woman"
には、小型の折り畳み傘とチョコボールが付いて来た。カサの色は4種類。キオスクで7分ほど迷った挙げ句、薄いローズ色を選んだ。厚紙の上に雑誌とカサとチョコボールがビニールパッキングされていて、いかにも買わなきゃ損という飾られ方でキオスクに並べられていると、気持ちも財布の紐も緩んでしまい、気が付くとハミングしながら大きな雑誌セットを抱えてアパートに向かう自分の姿を発見する。この手のおまけが"過去の衝動の化石"のように、家にはわんさとある。雑誌をめくるとシャンプーやファンデーション等の試供品が、ページの間に特殊なボンドで貼付けられている。香水の広告の所には折り込み方式で、開くとその香水の香りを楽しめる工夫がされている。これでもか?というほど盛りだくさんのおまけ付きは素晴らしい!と一瞬思うのだが、雑誌自体の内容は、日本の雑誌に比べると"お粗末君"の一言に尽きる。広告料金次第で掲載ページ数が違うのが、素人目にもはっきり分かるほどで、眼鏡屋のくだらない広告が8ページにも渡って載っていたりする。全体の70%は有名なブティックや企業の広告で占められている。スペインオリジナルの雑誌だと、グッチ エルメス シャネルという超大手の宣伝を掲載できるほど実力がないのか、中堅ブランドの宣伝がほとんどを占めている。雑誌の内容自体に目を向けてみると、最新流行のファッション、グルメ、コスメティック、ダイエット、イベント、旅行等の情報がほとんどだ。読んだからと言って脳みその皺に染み通るような情報は、残念ながらあまりない。卵が先か?鶏が先か?の問題と同じレベルで、雑誌の内容がつまらないからおまけを付けるのか?おまけに頼り過ぎるから雑誌の内容がくだらないのか?コメントに窮する。スペインには他の先進国ほど本を読む習慣がない。読書家はいるけれども、本を買う事自体"年間のイベント"と化しているというのが一般的だ。でもたえず売れている書物だって存在する。下世話なゴシップ記事と有名人の写真が満載されている女性週刊誌は、キオスク界のスーパーアイドルだ。美容院や病院のロビーにも常備されていて、ピチピチおねえちゃんからシワシワおババまで、広い年齢層の支持を受けている。皇太子のご成婚特集等はほとんど売り切れだ。でももう少し脳ミソの出番を必要とするような書物は、一般消費物にランクインするには実力不足。"雑誌を買うのはおまけのため!"というシナリオが生まれても当然だ。そういう私も実は、、、、、
ブル子には、体を動かさずに静止して本を読むという行為自体、何だか理解できないらしく、"暇"なくせに相手をしてくれないと判断しているようだ。読み始めると自分の事など、かまってくれないと知っているので、大人しく昼寝をしたり、マット相手にバトルを挑んだり、それなりに時間を潰している。時々様子をうかがいにウロウロするけれど、
"どうにも腹ぺこタイム"に入るまでは、我慢強く待っている。体育系のブル子には、読書の秋など理解できるわけもない。二人で秋の夜長に楽しむ事といったら、散歩と焼き芋くらいだろう。サツマイモを買って来て、自宅のレンジで特製の壷を使って焼き上げる。ブル子も芋の甘い臭いに誘われて、レンジのそばに座って待機。ホカホカの焼き芋が出来上がり、ホクホク顔で食べる親子。秋の夜長に食べるから美味しいのか?
美味しいから秋の夜長に食べるのか?そんな事はどうでもいい気がする。親子で分け合って食べる焼き芋、これだけで十分幸せになれる。 |
| 第42弾 脱がなくてもすごいんでっせ!
"ファンが詰めかけ転倒けが"こんな見出しを新聞で見つけた。このファンというのが50歳台の女性だと知って目を疑った。韓国の俳優 ヨン様というのは、いったい何者なの? "冬のソナタ"の主人公で人気がある という事は知っていたけれど、まさかファンの年齢層がこれほど高いとは知らなかった。写真で見ると ハリーポッターの韓国青年版 という感じを受けたが、、、、、
ポスターを掲げてホテル前まで押しかける、更年期世代の追っかけウバ桜達。部屋中を暗くして、心の準備 家族の始末を完了して、 その時間帯に一人でしんみりドラマの世界に浸る。まあそんな気持ちも わからないわけでもないけれど、でもなんだか不思議。 日本から遊びに来ていた友達が言っていた、"脱ぐとすごいのよっ!"という一言もまたババくさく、妙に耳に残った。
インタビューの受け答えも しっかりしていて、皇室っぽい受け答えも 人気の秘密なのでは?とその友達は言っていたけれど、そう言われちゃ日本の若手の俳優は、立つ瀬がないじゃない。実際そのドラマを見たわけではないので、何ともコメントできないけれど、台詞が良かったという噂も聞いた。もうすぐ衛星放送でこちらでも放映されるらしいけれど、うちは受信料を払ってないので、残念ながら鼻の差で見られない。20年程昔 ドラマ全盛時代にヒロインを夢見て、ドラマに釘付けだった世代の女性達が、久々に青春リメークという感じで、のめり込んでいるのかもしれない?! 又は、新鮮恋愛賞味期限に、美味しさをアピールできずにカビが生えて、そのまま期限切れのババ域に達した女性達が、 この手の恋愛ドラマの中へどっぷり浸って、自分をヒロイン化しているのかもしれない?! スペインで これほど中年おババ達のハートを虜にしている俳優は、見当たらない。強いて言えば、歌手のフリオ イグレシアスくらいか? でもこのヨン様のおかげで、経済効果抜群、 それに加えて ワールドカップ以来何となく、親密感が漂っていた日韓の関係も、 いきなり"キムチいい"雰囲気に好転し、下手に政治家が、作り笑顔で握手をするより、どれほど実質効果があった事か! でもいくらファンとはいえ、うんざりするような婆山に囲まれ、黄色く裏返った声をあげられても、当のヨン様の迷惑指数は、いかほどの物か?小規模で良いから、まだ賞味期限内のピチピチギャルに囲まれたいなあ! と思っているかもしれない!? こんな事を言ったら、おババ達に "私らだって脱ぐとすごいのよ!"と反撃されるかもしれない。これほど人気のある人物なら、一度会ってみたいと思うけれど、"ヨン様バルセロナにお忍びで現れる!"という噂を耳にした事がない。 流行り廃れは代の常! 数年後に一時帰国する時には、ヨン様のヨの字も見当たらないかもしれない。 旬の話題は新鮮な内に楽しむのが一番だ!
ヨン様には縁がないけれども、うちには例のブル様がいて、クリスマスプレゼントに と特注した新入りマットレス相手に挑む、一方的挑戦格闘技生中継を楽しめる。闘うシーンが始まって 15分ほどで、 "おー 大マットレス! 押さえつけられ早くも縫い目からスポンジがドバドバ、"という場面になる。特に食後 エネルギー満タン状態だと、押さえ込み 振り回し 引っ掻き と様々な技を披露して、エンドレスかと思えるような勝負シーンが、繰り広げられる。"あっぱれブル様 自慢の筋肉美を惜し気もなく披露! 脱がなくてもすごいんでっせ!" とファンの期待に応えている。 実はブル様にも熱烈なファンがいて、お尻をたたいたり 肉襦袢をつかんだりして、肉体派ブルボディーに直に触れたがり、ブル様も特に嫌がる事なく、おとなしくされるままにしている。 そんなファンサービスも、人気の秘訣のようだ。 ブル様の食に対するこだわりも、ファンにとっては堪えられないようだ。 リンゴを食べるシーン等お見せすると、ほとんどのファンは、 うっとり その食べっぷりに見とれる。餌入れから決して顔を上げる事なく 餌を食べ続けるシーンも、
30秒とかからないけれども、ファンに新たな感動を与えるようだ。 その内ブル様愛用マットと同じタイプのマット いびき収録CD ブル様お散歩シーンDVD マット対決ビデオ ブル様力作のうんちアートの写真集等々 ネット販売でも始めようか? 日本からブル様ゆかりの地巡りの パックツアーを企画しても良いかも!? 人気が急上して、追っかけが現れたら、、、どんな年齢層になるのだろう? まさかまたおババ達では??? 暇と意気込みが合体したおババの強力パワーは、決して侮れない! ウーーーン! |
| 第43弾
半年ぶりっ!いやーブルパパ候補に追い回されて、、、忙しかったの!と言いたいところだが、実は異様に雨の多い寒くて長い冬を送ったものだから、冬眠状態に陥っていただけだ。 それでも有り難く季節はめぐり、燕の到来する最高の季節がやってきた。遅過ぎた春は、あっという間に夏モードに変換され、虫達と同様スペイン人達も気温の上昇と共に屋外に這い出し、夜遊びを楽しむ人でバルも道も溢れている。ブル子の散歩も夏バージョン化し、さらに帰宅拒否症+休憩しま症を併発して、50分?150分に及ぶ“アリナミンA必飲か?”という体力勝負のお散歩タイムになっている。“お小遣いをあげるから一人で気晴らしに行っておいで!”と言いたいところだが、ブル子の“お嬢様孝行しないつもり?!”的にらみをきかされると、弱気の母は“はー ごもっとも!”という感じで、ヘトヘトになりながらお嬢様のお散歩につき合っている。まあブル子も7歳になったので、その内ババ犬化して、インスタント散歩でも間に合う時が来ると思うのだが、、、
観光客はつまみの美味しさや温暖な気候、のんびりとした生活リズムに魅了されて、“ここに住めたら良いなあ!”と単純に思うようだが、住むのと旅行とでは大違い。実際住んでいる外人なら誰でも、“こんな事が起きるとは!”と呆れるほどスペイン人の無責任さを実感させられる目に、嫌と言うほどあっているはずだ。交通安全やドラッグ警告等々 自治体から民衆に向けて様々なテレビ広告が出されるが、“S教会はどこ?” と訊ねる外人に対して、各地点で尋ねられたスペイン人達がそれぞれ東西南北でたらめな方向を教えるので、この外人が困り果てるという内容のものがあった。最後に“観光客にデタラメな道順を教るのはやめましょう!”と言う文字が映し出さる。こんな自治体の広告が流れる事自体 妙な事だが、頻繁にこういう無責任が横行しているからこそ、この手の広告が必要だったわけで、私なんかは“クイズ100人に訊きました”の回答の如く“よくあるある!”と頷いたものだ。
長年の経験により、スペインで“来週”と答えられたら、ガスや電気等の修理の依頼なら、“一か月後”、在庫切れの商品の入荷予定日なら、“もう入荷予定が無い”と判断できる。 海外からの郵便物も、宛先人名と住居人名など ノーチェックなので、些細な書き方の違いで、誤った宛先に配達され、 ネコババ?された郵便物も多々ある。災難はいつだって予期せぬ時にやって来る。今回は4月末にいきなりコンピューターのインターネットへの接続ができなくなった。調査の結果、なんとプロバイダー会社が許可無しに、勝手に普通電話回線からADSL回線に変更したためと判明した。この手のトラブルが起きると日本と比べて100倍位面倒な事になるのが常だ。案の定、このADSL取り消しのためだけでも、30回以上もプロバイダー会社に電話し、たらい回しにさせられた。相手のミスが原因だとしても、これから取り消しが有効になるまでの期間の請求書がガンガン来るはずなので、否応無しに戦いに挑まねばならない。
おおらかでのんびりした国というのは、実はルーズで無責任な国であるという事だ。 何事も見方考え方で、裏表 善悪 全て二面性があるということだ。ブル子の超ロングお散歩タイムも、運動不足の解消に 一役かっているのかもしれない。別に私は丙戌年生まれではないけれど、綱吉にならって、“ブル子憐れみの令”でも自己発令して、感謝してお嬢様の面倒をみてみようかな?! |
| 第44弾
なんだか知らぬ間に2006年を迎えてしまった。クリスマス直前からブルママの妹=つまりブルオバが遊びに来ていた。久しぶりの再会にブル子は狂喜の雄叫びをあげ、スリッパ略奪作戦を展開。日本からわざわざブルオバが持参した花柄の室内履きに、初っ端からお千切りを加え、ブルオバのキャーキャー叫ぶ声に益々興奮し、喚声と歓声を勘違いし、持って帰るには忍びない哀れな室内履きにしてしまった。 遊びに来るのは自分のため+人の食べている物は自分も食べられる物と思い込み、食事の度にブルオバの近くに待機し、おねだりを繰り返した。ブルジジが来る度に、やたらと食べこぼすので、ビジターの周辺に待機すれば、必然的におこぼれを頂戴できると、脳味噌にインプットされてしまったようで、この手の慣性の法則は、一度インプットされると、なかなか削除できないようで、ビジターが来る度に、自然とこの法則が適用される。当初ブルオバは“全く困った犬だわねー!”と嘆いていたが、日程の終わり頃には、ブル子にちょっと愛情を感じたのか?撫でながら話しかけていた。ブルママも、ミニ旅行へ行けたり、滅多に行かない下町へ足を延ばせたり、10日間お仕事ゼロで過ごせたので、時間的に贅沢な年末年始を送れた。
そう言えば、、、去年の暮れから4回程、名古屋のZIP-FMの朝のラジオ番組に生出演した。お相手は落合健太郎さん。スペインの身近な話題についてお喋りしたのだが、まず気分が良かったのは、落健さんの元気な声。スペイン人のキャスターは男女共、信じられない程しゃがれ声の人が多く、煙草を100年程吸い続け、バーボンを100本程飲み干した後、初めて声を出したのでは?と思える位、ザラザラした声をしている。それに比べて、、、、落健さんの声は、“さあ仕事に行くぞー!”という気分にさせるような、プラスエネルギー満タンのヘルシーボイスだ。何を話したかというと、ブルママの華麗な仕事内容、スペイン人の驚くべき悪習慣、若者の空き家不法占領、人生は宝くじ! スペインでは当たり前の事でも、他の国から見ると、“まさかっ???”と思える事が多々あり、実例をあげながら紹介したわけだ。 この手の話題なら、10年分のストックがあるので、また機会があれば、知られざる本当のスペインの実態を日本の皆さんにお知らせできるだろう。
2005年はバルセロナの郊外の田舎町でクリスマスの宝くじが当たった。例の如く、シャンペーン片手に はしゃぐ人々が、22日のお昼のニュースのトップに写し出され、“またこの季節か?!”と思っていたら、アッという間に今日は1月4日。時間が雪だるま式に加速しているとしか思えない。ブル子も7歳半を過ぎ、ちょっとババ化し始めているが、まだまだ現役ブルクイーンの座を維持している。散歩の時に見せるブルスマイルを、いつまで見られるかわからないけれども、この一年がブル子にとって、犬生一度の大当たりの年になったら良いなあと思う。だって今年はブル年だもの!? |
| 第45弾
“いやー本当に私好みの方でしたの、、、、なんともお別れし難かったわ!”。去年末から我が家に遊びに来ていた、日本人のR
君が帰路についた。2週間程の滞在だったが、彼の身の回りに起きた様々な出来事を聞かされて、ブルママも久々に興奮のるつぼにどっぷり漬かった。 著名なS
氏の紹介で来たので |